平成28年度 秋期 午前 問70
技術戦略
“死の谷”の説明
技術経営における課題のうち,“死の谷”を説明したものはどれか。
- アコモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても,他社との差別化ができず,価値利益化ができない。
- イ製品が市場に浸透していく過程において,実用性を重んじる顧客が受け入れず,より大きな市場を形成できない。
- ウ先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難が立ちはだかっている。
- エプロジェクトのマネジメントが適切に行われないために,研究開発の現場に過大な負担を強いて,プロジェクトのメンバが過酷な状態になり,失敗に向かってしまう。
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✓ これが正解ウ先進的な製品開発に成功しても,事業化するためには更なる困難が立ちはだかっている。
解説
死の谷は、開発できたのに事業化へ進めない関門です。
設問は、技術経営における課題のうち死の谷を説明したものを選ばせています。研究から世の中へ広まるまでの道のりには、つまずく場所ごとに名前の付いた関門が並んでいます。研究の成果が製品づくりへ移れないところ、製品はできたのに事業として立ち上がらないところ、事業にはなったのに競争を勝ち抜けないところ、そして先進的な少数の買い手には届いたのに実利を求める多数派へ広がらないところです。死の谷はこのうち二つめ、開発そのものは成し遂げたのに、資金や人手や売り先が続かず事業として成り立たせられない段階を指します。判断の軸は、その記述がどの段階の話をしているかという一点です。開発は成功していること、そして事業化の手前でつまずいていること、この二つがそろえば場所は一つに定まります。よって、先進的な製品開発に成功しても、事業化するためには更なる困難が立ちはだかっているという記述が当てはまります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アコモディティ化が進んでいる分野で製品を開…:似た品ばかりになった分野では違いを打ち出せず、値段で競うほかなくなって儲けにつながらないという話です。市場が熟した結果として現れる現象であり、どこかの段階でつまずくという形の関門ではありません。
- イ製品が市場に浸透していく過程において,実…:実利を重んじる買い手の層に受け入れられず、市場がそこから先へ広がらないという話です。止まっているのは買い手の層の広がりであって、事業として立ち上げられるかどうかとは主語が違います。
- エプロジェクトのマネジメントが適切に行われ…:運営の采配がうまくいかず、現場に無理な負担がかかって働く人が疲れ果て、失敗へ向かうという話です。段階のどこでつまずくかではなく、進め方そのものの不手際を述べています。
この問題の用語
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問70
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