平成27年度 春期 午前 問58
システム監査
監査手続に関する問題
業務データのバックアップが自動取得されている場合,日次バックアップデータが継続的に取得されているかどうかをシステム監査人が検証する手続として,適切なものはどれか。
- アバックアップジョブの再実施
- イバックアップジョブの設定内容及びジョブの実行結果ログの閲覧
- ウバックアップデータからのリカバリテストの実施
- エバックアップ媒体やバックアップ装置の観察
答えと解説を見る
✓ これが正解イバックアップジョブの設定内容及びジョブの実行結果ログの閲覧
解説
過去の毎日を語れる証拠は記録だけです。
設問は、日次のバックアップデータが継続的に取得されているかどうかを検証する監査手続として、適切なものを選ばせています。問われているのは継続しているかであって、復元できるかではありません。ここを取り違えないことが要点です。継続とは過去の毎日ぶんという意味ですから、過去を語れる監査証拠でなければ答えになりません。ですから、バックアップジョブの設定内容及びジョブの実行結果ログの閲覧という手続が当てはまります。二つを組で見ているところが効いています。設定内容からは、毎日動くように仕掛けてあるか、対象と世代と時刻はどうなっているかが分かります。実行結果の記録からは、実際に毎日動いて成功していたかが分かります。設定だけではそのつもりだったという話に留まり、記録だけでは何を取ったのかが分かりません。両方そろって初めて言い切れます。監査手続には閲覧、観察、質問、再実施、突合といった型がありますが、選ぶ基準は何を確かめたいかであって、丁寧そうに見えるかどうかではありません。なお、記録そのものが書き換えられていないかは、権限の設定を見るなど別の手立てで確かめます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アバックアップジョブの再実施:いま動かしてみる手続なので、分かるのは今日動くことだけです。昨日も動いていた証明にはならず、本番への負荷や世代の上書きという副作用も伴うので、手続としても選びにくくなります。
- ウバックアップデータからのリカバリテストの…:取ってあるデータから戻せるかどうかを確かめる手続で、それ自体は有用です。ただし見ているのは復元できるかであって、毎日取り続けてきたかという問いには答えてくれません。
- エバックアップ媒体やバックアップ装置の観察:その場に何が置かれ、どう保管されているかが分かるだけです。媒体が並んでいても、中身が毎日更新されてきたかどうかまでは、眺めるだけでは確かめられません。
この問題の用語
- 監査証拠監査人の判断を裏づける記録のこと。被監査部門から入手した運用記録などがこれで、監査人自身が作った計画書や議事録は含みません。
- バックアップ失っても元に戻せるよう、データの複製を別に取っておくこと。取るだけでなく、戻せるかを確かめておくのが要点です。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 監査人システム監査を行う人。作る側や運用する側から独立した立場を保ち、自分では作らずに規程や記録を見て確かめます。
- ログいつ誰が何をしたかを、機器やソフトウェアが自動で残していく記録です。あとから出来事をたどれるので、事故の調査や不正の発見に使われます。
- テスト決めたとおりに動くかを、実際に動かして確かめる作業のこと。何を確かめるかによって移行テスト、システムテストなどと呼び分けます。
出典:平成27年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問58
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(監査人)
- 令和7年度 秋期 午前 問58:システム監査基準に関する問題(監査人)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(監査証拠)
- 令和7年度 春期 午前 問58:ウォークスルー法の説明(システム監査)
- 令和6年度 秋期 午前 問59:予備調査についての記述(監査証拠)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)