平成27年度 秋期 午前 問60
システム監査
営業債権管理業務に関する内部統制
営業債権管理業務に関する内部統制のうち,適切なものはどれか。
- ア売掛金回収条件の設定は,営業部門ではなく,審査部門が行っている。
- イ売掛金の消込み入力と承認処理は,販売を担当した営業部門が行っている。
- ウ顧客ごとの与信限度の決定は,審査部門ではなく,営業部門の責任者が行っている。
- エ値引き又は割戻しの処理は,取引先の実態を熟知している営業部門の担当者が行っている。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア売掛金回収条件の設定は,営業部門ではなく,審査部門が行っている。
解説
売る部門に条件と承認を握らせません。
営業債権をめぐる内部統制の土台は職務分掌です。ひとつの部門や担当者に、自分の成績を良くできる判断と、それを認める権限が同時に集まらないようにします。この見方で四つの記述を読むと、判断が営業部門から離れているものが一つだけ残ります。正しいのは、売掛金回収条件の設定は、営業部門ではなく、審査部門が行っている、という状態です。営業部門は売上を伸ばすことで評価されますから、回収の条件まで自分で決められると、支払期日を延ばしてでも受注を取りにいく力が働きます。利害が反対を向く審査部門に条件を決めさせることで、その力と釣り合いを取ります。営業債権に関わる職務は、与信や回収の条件を決める、売る、請求と入金を記録する、現金を扱う、という四つに分けて考えると見通しがよくなります。このうち二つ以上がひとつの部門や担当者に集まっていれば、統制としては弱いと読めます。取引先の事情に詳しいことと、決める権限を持ってよいことは別だ、という点がこの型の勘どころです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ売掛金の消込み入力と承認処理は,販売を担…:入力する側と承認する側が同じ部門に、しかも販売を担当した当事者に集まっています。入金が無いのに消し込むといった隠しごとが一部門で完結してしまい、外から気付く手掛かりが残りません。
- ウ顧客ごとの与信限度の決定は,審査部門では…:与信限度をいくらまでにするかは、取引先の支払能力を見る立場が決めるべき判断です。売る側の責任者が決められると、限度を広げてでも受注を通す向きに傾いてしまいます。
- エ値引き又は割戻しの処理は,取引先の実態を…:値引きや割戻しは売上を減らす処理で、正しかったかどうかが外から見えにくい部分です。取引先に詳しいことは任せる理由になっても、担当者ひとりで完結してよい理由にはなりません。
この問題の用語
- 内部統制不正やミスを防ぐため、承認や記録、点検といった手続きを業務そのものに組み込んでおく社内の仕組み。整備と運用の最終責任は経営者が負います。
- 職務分掌一人に権限が集まらないよう、担当を分けて互いにけん制させる考え方。不正やミスが起きにくい形にする狙いがあります。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
出典:平成27年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前 問60:ITへの対応に関する問題(内部統制)
- 令和5年度 春期 午前 問60:内部統制に関する問題(内部統制)
- 平成30年度 春期 午前 問57:内部統制に関する問題(職務分掌)
- 平成26年度 秋期 午前 問44:職務分掌に関する問題(職務分掌)
- 平成24年度 秋期 午前 問60:営業債権管理業務に関する内部統制(職務分掌)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)