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令和4年度 午前の部 問19

民法

事務管理に関する問題

事務管理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 管理者は、本人が既に知っている場合を除き、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。

イ 管理者は、本人のために有益な債務を負担したときは、本人に対して、自己に代わってその債務を弁済することを請求することができる。

ウ 管理行為が本人の意思に反してされた場合は、本人の意思に反することがその開始時において明らかであるかどうかにかかわらず、事務管理は成立しない。

エ 管理者は、いつでも事務管理を中止することができる。

オ 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重過失があるのでなければ、その事務管理によって生じた損害を賠償する責任を負わない。

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✓ これが正解4ウエ

解説

ウとエが誤りで、本人の意思に反する場合と管理の継続義務が違います。

事務管理(義務なく他人のためにその事務を管理すること)について、管理者の義務と、本人に対して求められることを民法の条文で判断する問題です。

アは正しい記述です。民法は、管理者は事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならず、本人が既にこれを知っているときは通知は要らないと定めています。イも正しく、管理者が本人のために有益な債務を負担したときは、委任の規定の準用により、本人に対して自己に代わってその弁済をすることを請求できます(代弁済請求)。オも正しく、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるための事務管理(緊急事務管理)では、管理者は悪意又は重大な過失があるのでなければ、生じた損害を賠償する責任を負いません。

ウは誤りです。民法第697条第2項は、管理者が本人の意思を知っているときや推知できるときはその意思に従って管理しなければならないとしており、事務管理が成立しないとされるのは、管理が本人の意思に反することが明らかな場合です。開始時に本人の意思に反することが明らかでなかったのであれば事務管理は成立し、その後に本人の意思に反すると分かれば管理を中止すべきことになります。明らかかどうかにかかわらず成立しないとする点が違います。エも誤りで、民法は、管理者は本人やその相続人・法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならないと定めています(ただし、継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかなときは中止します)。いつでも中止できるわけではありません。

したがって、誤っているものはウとエです。勝手に始めた以上は途中で放り出せない、という管理継続義務を軸にすると、事務管理の規律を整理しやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和4年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問19(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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