第38回 問題89
高齢者福祉
事例を読んで,次のうち,Aさんが利用する介護予防・日常生活支援総合事業によるサービス・事業として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
基本チェックリストによって事業対象者となったAさん(82歳,男性)は一人暮らしで,調理にあまり意欲的ではない。そのため,食事を十分には摂っておらず,ほぼ毎日同じインスタント食品ばかりを食べており,体重も減少傾向である。なお,かかりつけの医師と歯科医師によると,口腔の機能や咀嚼・嚥下には問題がないことがわかった。このような状況のため,地域包括支援センターや地域支援事業に関わる各種の専門職がサービス担当者会議により支援内容を検討し,Aさんに食事内容の見直しに関する説明と助言を行った。それを聞いて納得したAさんは,栄養の改善を目的とした食事のデリバリーサービスを利用しようと考えるに至った。
- 1通所型サービス(第1号通所事業)
- 2訪問型サービス(第1号訪問事業)
- 3その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)
- 4地域介護予防活動支援事業
- 5介護予防把握事業
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✓ これが正解3その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)
解説
栄養改善目的の配食は、その他の生活支援サービスにあたる。
事例のAさんは基本チェックリストで事業対象者となり、食事の偏りと体重減少があるものの、口腔や咀嚼・嚥下には問題がないと分かっています。決め手は、Aさんが納得したうえで、栄養の改善を目的とした食事のデリバリー、つまり配食を利用しようと考えた、という最後の一文です。支援の段階でいえば、サービス担当者会議での検討と説明・助言を経て、利用するサービスを選ぶ場面です。
介護予防・日常生活支援総合事業の介護予防・生活支援サービス事業には、訪問型サービス(第1号訪問事業)、通所型サービス(第1号通所事業)、その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)、介護予防ケアマネジメントがあります。このうち、その他の生活支援サービスは、栄養改善を目的とした配食や、一人暮らしの高齢者への見守りなど、訪問型・通所型と一体的に行われる生活支援を内容とします。Aさんの配食の利用は、その他の生活支援サービスにあてはまります。
一方、地域介護予防活動支援事業と介護予防把握事業は、事業対象者に限らず高齢者全体を対象とする一般介護予防事業に属し、個人に食事を届けるサービスではありません。総合事業は、個人へのサービス(介護予防・生活支援サービス事業)と、地域全体への働きかけ(一般介護予防事業)の2つに分かれると整理すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1通所型サービス(第1号通所事業):通所型サービスは、利用者が事業所などに通って機能訓練や集いの場での活動を受けるものです。Aさんが選んだのは自宅に食事を届けてもらう配食であり、通所の形ではないので当てはまりません。
- 2訪問型サービス(第1号訪問事業):訪問型サービスは、居宅を訪ねて掃除・洗濯などの生活援助や専門職による相談指導を行うものです。食事そのものを届ける配食は、訪問型サービスではなく別の区分で扱われます。
- 4地域介護予防活動支援事業:地域介護予防活動支援事業は、住民主体の通いの場などの介護予防の活動を育成・支援する一般介護予防事業です。地域の活動を支える事業であり、Aさん個人に食事を届けるサービスではありません。
- 5介護予防把握事業:介護予防把握事業は、閉じこもりなど何らかの支援を要する高齢者を早く見つけ、介護予防の活動につなげるための一般介護予防事業です。Aさんはすでに把握され支援内容まで決まっているので、場面が合いません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題89。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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