第37回 問題125
福祉サービスの組織と経営
次の記述のうち,2016年(平成28年)の社会福祉法改正により,新たに社会福祉法人が努めなければならないとされたこととして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1福祉サービスの利用者の利益を保護する仕組みを導入すること。
- 2地域における公益的な取組を実施すること。
- 3従業員の給与基準を定めて公表すること。
- 4第一種社会福祉事業を実施すること。
- 5第三者評価を受審すること。
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✓ これが正解2地域における公益的な取組を実施すること。
解説
2016年改正で、地域における公益的な取組が社会福祉法人の責務になりました。
2016年(平成28年)の社会福祉法改正は、社会福祉法人制度改革と呼ばれ、経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上、財務規律の強化などとともに、社会福祉法人の公益性を一層高めることを目指したものです。
この改正で、社会福祉法人の経営の原則に関する条文に新たな項が加えられ、社会福祉法人は、社会福祉事業及び公益事業を行うに当たっては、日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならないとされました。これが地域における公益的な取組の責務で、税制上の優遇を受ける非営利法人として、地域の課題に積極的に応えることが求められたものです。したがって、この記述が正しいものです。
地域における公益的な取組には、生活困窮者への相談支援や食事の提供、地域の居場所づくりなど、地域の実情に応じたさまざまな活動が含まれます。
覚え方として、2016年改正は、評議員会の必置、財務の透明化、地域における公益的な取組の3つを組にして覚えておくと、他の時期の改正と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1福祉サービスの利用者の利益を保護する仕組みを導入すること。:福祉サービスの利用者の利益を保護する仕組み(苦情解決の仕組みや福祉サービス利用援助事業など)は、2000年に社会福祉事業法が社会福祉法に改められたときに導入されたもので、2016年の改正で新たに加わったものではありません。
- 3従業員の給与基準を定めて公表すること。:2016年の改正で定めて公表することが求められたのは、理事・監事・評議員といった役員等の報酬等の支給の基準です。従業員の給与基準を定めて公表することが努力義務とされたわけではありません。
- 4第一種社会福祉事業を実施すること。:社会福祉法人は社会福祉事業を行うことを目的とする法人ですが、第一種社会福祉事業の実施を努力義務とする規定はありません。どの社会福祉事業を行うかは法人ごとに定款で定めます。
- 5第三者評価を受審すること。:福祉サービス第三者評価の受審は、2016年の改正で新たに求められたものではありません。経営者が良質な福祉サービスの提供に努めることは以前から定められており、受審は一部の施設を除き任意です。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題125。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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