第37回 問題124
福祉サービスの組織と経営
事例を読んで,A特定非営利活動法人がこれから取り組むべきこととして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
A特定非営利活動法人は,B県C市において障害福祉事業を実施してきた。地域のニーズにさらに応えることができるよう規模を拡大し,組織を発展させていくため,関係者と協議してA特定非営利活動法人を解散し,社会福祉法人の設立を目指すこととなった。これまでのとおりC市に主たる事務所を置き,C市内でのみ事業を行っていく予定である。なお,C市は指定都市ではない。
- 1社会福祉法人の重要事項の議決機関となる評議員会を設置する。
- 2社会福祉法人の会員を募り,10名以上の会員名簿を作成する。
- 3A特定非営利活動法人の解散を,所轄庁であるC市に届け出る。
- 4A特定非営利活動法人の残余財産を,これまでの寄付者個人に分配する。
- 5社会福祉法人の設立のため,所轄庁であるB県からの認可を受ける。
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✓ これが正解1社会福祉法人の重要事項の議決機関となる評議員会を設置する。
解説
社会福祉法人には評議員会が必置なので、その設置を準備します。
この事例は、特定非営利活動法人を解散して社会福祉法人を新たに設立しようとする場面で、法人の機関、所轄庁、残余財産の扱いの3点を法律に照らして判断する問です。決め手は、主たる事務所をC市に置き、C市内でのみ事業を行うこと、そしてC市が指定都市ではないことです。
社会福祉法は、社会福祉法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならないと定めています。評議員会は、定款の変更や理事・監事の選任など、法人の運営の重要事項を議決する機関で、2016年の法改正で全ての社会福祉法人に必ず置くこととされました。社会福祉法人を設立するのであれば、評議員会を設けることは欠かせない準備です。したがって、この記述が最も適切です。
所轄庁については、特定非営利活動法人と社会福祉法人とで決まり方が違います。特定非営利活動法人の所轄庁は原則として都道府県知事で、社会福祉法人の所轄庁は、主たる事務所が市にあり事業がその市の区域を越えない場合は市長です。この違いを押さえると、他の記述の誤りがわかります。
覚え方として、社会福祉法人は会員のいない財団的な法人で、評議員会が重要事項を決める、と組み立てを覚えておくと迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2社会福祉法人の会員を募り,10名以上の会員名簿を作成する。:社会福祉法人には、会員や社員という仕組みがありません。10人以上の社員が必要なのは特定非営利活動法人のほうで、社会福祉法人の設立のために会員名簿を作る必要はありません。
- 3A特定非営利活動法人の解散を,所轄庁であるC市に届け出る。:特定非営利活動法人の所轄庁は、事務所が一つの指定都市の区域内だけにある場合を除き、都道府県知事です。C市は指定都市ではないので、解散を届け出る先はC市ではなくB県になります。
- 4A特定非営利活動法人の残余財産を,これまでの寄付者個人に分配する。:特定非営利活動法人の残余財産は、定款で定めた他の特定非営利活動法人や国・地方公共団体、社会福祉法人などに帰属させなければなりません。これまでの寄付者個人に分配することはできません。
- 5社会福祉法人の設立のため,所轄庁であるB県からの認可を受ける。:社会福祉法人の所轄庁は、主たる事務所が市の区域内にあり、事業がその市の区域を越えない場合は市長とされています。C市内でのみ事業を行うので、認可を受ける相手はB県ではなくC市です。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題124。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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