第28回 問題30
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
次の記述のうち,アルコール依存症者の配偶者の態度変化に関するジャクソンの7段階説の第1段階に当てはまるものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1飲酒する本人を無視したり,軽んじたりする。
- 2家族関係がうまくいくように,飲酒を続ける本人と別居することを決心する。
- 3飲酒する本人への対応方法が分からないまま,一人で問題を取り除こうとする。
- 4家族の情緒的交流が解体し,家族としての目標を失う。
- 5本人の飲酒問題を否認し,困惑しながら生活する。
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✓ これが正解5本人の飲酒問題を否認し,困惑しながら生活する。
解説
ジャクソンの第1段階は、配偶者が飲酒問題を否認して困惑する段階です。
アルコール依存症者の配偶者の態度が、時間とともにどう変わっていくかを示したジャクソンの7段階説を問う問題です。ジャクソンは、アルコール依存症の夫をもつ妻たちを観察し、家族が問題に気づき、混乱し、立て直していく過程を段階に分けて示しました。
一般的な説明では、第1段階は問題を否認する段階、第2段階は問題を取り除こうとして家族が孤立していく段階、第3段階は家族がばらばらになる解体の段階、第4段階は配偶者が家庭を立て直そうとする段階、第5段階は本人から離れようとする逃避の段階、第6段階は本人抜きでの家族の再編成の段階、第7段階は本人の回復と家族の再編成の段階と整理されます。
第1段階では、配偶者は夫の飲酒を問題として認めず、たまたま飲み過ぎただけだと考えようとしますが、実際には飲酒に伴う出来事に戸惑いながら生活しています。設問の正解の記述は、この姿と合っています。
したがって第1段階に当てはまるのは、本人の飲酒問題を否認し、困惑しながら生活するという記述です。覚え方としては、否認から始まり、解決の試み、解体、立て直しの試み、逃避、再編成、回復へと進む流れで押さえるとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1飲酒する本人を無視したり,軽んじたりする。:飲酒する本人を無視したり軽んじたりするのは、配偶者が家庭の主導権を握って生活を立て直そうとする第4段階の姿として説明されます。問題を認めていない第1段階とは異なります。
- 2家族関係がうまくいくように,飲酒を続ける本人と別居することを決心する。:家族関係を守るために本人と別居を決心するのは、本人から離れようとする第5段階(逃避の段階)の姿です。問題を否認している第1段階より、ずっと後に現れる変化です。
- 3飲酒する本人への対応方法が分からないまま,一人で問題を取り除こうとする。:対応方法が分からないまま一人で問題を取り除こうとするのは、問題を認めたうえでそれを除こうと努める第2段階の姿です。第1段階ではまだ問題そのものを認めていません。
- 4家族の情緒的交流が解体し,家族としての目標を失う。:家族の情緒的な交流が壊れ、家族としての目標を失うのは、家族がばらばらになる第3段階(解体の段階)の姿として説明されます。否認の段階である第1段階には当たりません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題30。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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