第28回 問題29
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
次の記述のうち,不登校傾向のある中学生に対するスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)による初回面接時の関わりとして,適切なものを1つ選びなさい。
- 1話す言葉と同様に,本人の表情や態度からメッセージを捉える。
- 2言葉と行動の不一致を明らかにして,本人に示す。
- 3気持ちの同一化を図るため,精神保健福祉士自身の生活歴を話す。
- 4不登校の理由が明確になるまで,質問を続ける。
- 5友人のように接することで,陽性転移を生じさせる。
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✓ これが正解1話す言葉と同様に,本人の表情や態度からメッセージを捉える。
解説
初回面接では言葉と同様に表情や態度からもメッセージを捉えます。
不登校傾向のある中学生との初回面接で、スクールソーシャルワーカーとしてふさわしい関わりを問う問題です。初回面接(インテーク)の段階でまず大切なのは、本人が安心して話せる関係を作り、本人の思いを受け止めることです。
中学生は、自分の気持ちを言葉でうまく説明できないことも多く、不登校の背景にある思いを初対面の大人にすぐ話せるとは限りません。そのため、話す言葉だけでなく、表情、視線、声の調子、姿勢、沈黙といった言葉以外のサインにも注意を向け、本人が伝えようとしているメッセージを受け取ることが重要です。これは非言語コミュニケーションへの注目と呼ばれ、面接の基本となる技法の一つです。
ほかの肢は、言動の食い違いを突きつける直面化、援助者が自分の生活歴を語って同一化を図る関わり、理由を明らかにするまで質問を続ける関わり、意図して陽性転移を起こさせる関わりです。いずれも、関係が十分にできていない初回面接では、本人を追い詰めたり、専門的な援助関係を損なったりするおそれがあります。
したがって適切なのは、話す言葉と同様に本人の表情や態度からメッセージを捉える関わりです。初回面接は安心と信頼づくりが第一、と押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2言葉と行動の不一致を明らかにして,本人に示す。:言葉と行動の食い違いを本人に示すのは、直面化と呼ばれる技法です。信頼関係ができてから慎重に使うもので、初対面の中学生に行うと責められていると感じさせ、関係を損ねるおそれがあります。
- 3気持ちの同一化を図るため,精神保健福祉士自身の生活歴を話す。:援助者自身の生活歴を話して気持ちの同一化を図ると、面接の焦点が援助者の側に移り、本人の思いを聴く場ではなくなります。自己開示は目的を絞って慎重に用いるものです。
- 4不登校の理由が明確になるまで,質問を続ける。:不登校の理由がはっきりするまで質問を重ねると、本人は問い詰められていると感じやすくなります。理由を本人もうまく言えないことは多く、初回では安心できる関係づくりが優先されます。
- 5友人のように接することで,陽性転移を生じさせる。:友人のように接して陽性転移を意図して生じさせるのは、専門職としての援助関係の枠を越える関わりです。転移は気づいて扱うものであり、意図して起こさせるものではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題29。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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