第26回 問題10
精神医学と精神医療
次の記述のうち,入院中の行動制限に関し,「精神保健福祉法」に基づく厚生労働大臣が定める基準として,正しいものを2つ選びなさい。
- 1病状に応じて,できる限り早期に患者に面会の機会を与える。
- 2通信は基本的に自由であることを,患者や家族等に文書や口頭で伝える。
- 3任意入院では,閉鎖病棟で処遇することは禁止されている。
- 412時間を超えない隔離は,看護師の判断で実施できる。
- 5身体的拘束を実施中,医師の診察は毎日1回とされている。(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
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✓ これが正解1病状に応じて,できる限り早期に患者に面会の機会を与える。
✓ これが正解2通信は基本的に自由であることを,患者や家族等に文書や口頭で伝える。
解説
面会はできる限り早期に、通信は基本的に自由と伝えるのが基準です。
精神科病院の入院患者の処遇については、精神保健福祉法第37条に基づいて厚生労働大臣が基準を定めています(昭和63年厚生省告示第130号)。この基準は、患者の症状に応じて最も制限の少ない方法で処遇することを基本に、通信・面会、隔離、身体的拘束、任意入院者の開放処遇の制限などを具体的に定めています。この問は2つ選ぶ問です。
通信・面会について基準は、患者と家族や地域社会との接触を保つうえで重要な意義があるとして、原則として自由に行われるべきものとしています。そのうえで、通信・面会は基本的に自由であることを、文書又は口頭により、患者及びその家族等その他の関係者に伝えることが必要だと定めています。また、入院後は病状に応じできる限り早期に面会の機会を与えるべきだとしています。面会と通信についての2つの記述は、どちらもこの基準どおりです。
一方、任意入院者でも開放処遇の制限は医師の判断で行うことができます。12時間を超えない隔離は精神保健指定医でなくても行えますが、判断するのは医師で、看護師ではありません。身体的拘束を行っている間は、医師が頻回に診察を行うとされています。
見分け方として、処遇の基準の問では、通信・面会は原則自由、隔離は原則として毎日1回以上の診察、身体的拘束は頻回の診察、と制限が強いほど診察も密になると押さえておくと区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 3任意入院では,閉鎖病棟で処遇することは禁…:任意入院者は開放的な環境での処遇が原則ですが、症状からみて必要な場合には、医師の判断で開放処遇を制限することが基準で認められています。閉鎖病棟での処遇が一律に禁止されているわけではありません。
- 412時間を超えない隔離は,看護師の判断で…:12時間を超えない隔離は精神保健指定医でなくても行えますが、その判断をするのは医師です。看護師の判断だけで隔離を始めてよいとはされておらず、判断の主体を取り違えています。
- 5身体的拘束を実施中,医師の診察は毎日1回…:毎日1回以上の診察は隔離についての定めです。身体的拘束は制限の度合いが強いため、漫然と続かないよう医師が頻回に診察を行うとされており、回数の定め方が違います。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題10。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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