第27回 問題6
精神医学と精神医療
次の記述のうち,社会生活技能訓練(SST)の説明として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1精神分析の考え方を応用したプログラムの一つである。
- 2絶対臥褥により活動意欲を高める。
- 3自己認識を深める心理劇である。
- 4認知行動療法の考えを取り入れている。
- 5絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである。
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✓ これが正解4認知行動療法の考えを取り入れている。
解説
SSTは認知行動療法の考えを取り入れた技能訓練です。
社会生活技能訓練(SST)は、対人関係や日常生活で必要な技能を、練習を通して身に付けていくプログラムです。アメリカのリバーマンらが精神障害のある人のために体系化し、日本でも精神科の病院やデイ・ケア、地域の事業所で広く行われています。
SSTの土台にあるのは、認知行動療法の考え方です。うまくいかない場面を具体的に取り上げ、目標とする行動を決め、ロールプレイで練習し、よかった点をほめて強化し、改善点を示してもう一度試す、という手順を踏みます。考え方や受け止め方と行動の両方に働きかけ、練習した技能を生活の場で使えるよう宿題を出すこともあります。
ほかの肢は、別の療法の説明です。精神分析は無意識の葛藤を扱う療法、絶対臥褥は森田療法の最初の段階、心理劇はモレノが始めたサイコドラマ、絵画や音楽を通じた表現は芸術療法にあたります。
見分け方は、SSTは練習と強化で行動を身に付ける技能訓練であり、心の奥を分析する療法ではない、と押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1精神分析の考え方を応用したプログラムの一つである。:SSTは、無意識の葛藤を言葉にして洞察を得ることをめざす精神分析の流れではありません。具体的な技能をロールプレイで練習し、ほめて強化する学習理論に基づく方法です。
- 2絶対臥褥により活動意欲を高める。:絶対臥褥は、一定期間ほとんど何もせず横になって過ごす段階で、森田療法の始めに置かれるものです。技能を練習して身に付けるSSTの方法とは関係がありません。
- 3自己認識を深める心理劇である。:自己認識を深めるために即興の劇を演じる心理劇は、モレノが創始したサイコドラマの説明です。SSTもロールプレイを使いますが、目的は生活に必要な技能の習得です。
- 5絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである。:絵画や音楽を通じて内面を表現する精神療法は、芸術療法の説明です。SSTは表現そのものではなく、具体的な対人技能の練習を中心に進めます。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題6。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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