第61回 午前 問94
リハビリテーション医学
緩和期に関する問題
緩和期のがんのリハビリテーション医療で正しいのはどれか。
- 1疲労骨折をきたしやすい。
- 2疼痛に温熱療法は禁忌である。
- 3QOLより機能回復を優先する。
- 4がん治療前のADL獲得を目標とする。
- 5患者の意思に合わせてプログラムを変更する。
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✓ これが正解5患者の意思に合わせてプログラムを変更する。
解説
緩和期は患者の意思に合わせてプログラムを変えます。
がんのリハビリテーション医療は、がんの時期によって目的が変わります。病気の進行を止めることが難しくなった緩和期では、機能を元に戻すことよりも、痛みやつらさを和らげ、患者がその人らしく過ごせるように、生活の質(QOL)を保つことが中心の目的になります。
この時期の患者は、体の状態や気持ちが日によって大きく変わることがあります。そのため、あらかじめ決めた計画をそのまま続けるのではなく、患者がその日に何をしたいか、何を大切にしたいかを確かめながら、プログラムを柔軟に変えていくことが大切です。家族と過ごす時間や、好きなことをする時間を優先することもあります。ほかの肢は、骨折の種類、物理療法の扱い、目的の優先順位、目標の立て方のどれかが、緩和期の考え方と合っていません。
したがって、患者の意思に合わせてプログラムを変更する、という記述が正しい答えです。緩和期のリハビリテーション医療は、患者の望みとQOLが中心、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1疲労骨折をきたしやすい。:がんが骨に転移すると、骨が弱くなり、軽い力でも折れる病的骨折が起こりやすくなります。疲労骨折は、健康な骨に繰り返し力がかかって起こる骨折で、別のものです。
- 2疼痛に温熱療法は禁忌である。:緩和期では、温熱療法が痛みを和らげて心地よさを高める目的で使われることもあります。腫瘍のある場所を避けるなどの配慮は必要ですが、一律に禁忌とはいえません。
- 3QOLより機能回復を優先する。:緩和期では、機能の回復が難しいことが多く、つらさを和らげ、その人らしく過ごせるようにすることが優先されます。機能回復をQOLより優先するのは、この時期の考え方と逆です。
- 4がん治療前のADL獲得を目標とする。:緩和期では病気が進んでいるため、がんの治療前と同じ日常生活の動作を取り戻すことは現実的ではないことが多いです。今の状態に合わせて、できることを支える目標を立てます。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問94(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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