第58回 午後 問29
理学療法治療学
脊髄損傷に関する問題
脊髄損傷者(完全麻痺)が両側の短下肢装具と杖によって安全に屋外歩行が可能となる最も上位の機能残存レベルはどれか。
- 1Th6
- 2Th10
- 3L2
- 4L4
- 5S1
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✓ これが正解4L4
解説
短下肢装具と杖で屋外歩行が安全に可能になるのはL4残存からです。
この問は、脊髄損傷の完全麻痺で、どの髄節まで機能が残れば、どんな装具と補助具で歩けるかという対応関係で判断します。歩行の実用性は、股関節や膝関節を自分の筋で安定させられるかどうかで大きく変わります。
L4まで機能が残ると、股関節の屈筋や内転筋に加えて、膝を伸ばす大腿四頭筋が働き、前脛骨筋の働きも得られるとされます。膝が自分の力で支えられるので、足首だけを短下肢装具で補えば、杖を使って屋外でも安全に歩けるようになります。
Th6やTh10では体幹や下肢の筋が働かず、長下肢装具などを使っても歩行は練習や運動の目的にとどまります。L2では股関節の屈曲はできても膝を伸ばす力が足りず、長下肢装具が必要です。S1はL4より下位の残存レベルで、条件はより良くなりますが、設問は最も上位のレベルを問うているので当たりません。膝が自分で支えられるかどうかを目安にすると、必要な装具を判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Th6:Th6では腹筋や背筋の多くが働かず、体幹を安定させることも難しい状態です。長下肢装具などを使っても実用的な屋外歩行は難しく、運動目的の歩行にとどまります。
- 2Th10:Th10では体幹はある程度安定しますが、下肢の筋は働きません。長下肢装具と杖で歩く練習はできても、短下肢装具で安全に屋外を歩くことはできません。
- 3L2:L2では股関節を曲げる筋は働くものの、膝を伸ばして支える大腿四頭筋の力が不十分です。膝を固定する長下肢装具が必要になります。
- 5S1:S1まで残っていれば短下肢装具と杖で歩けますが、それはL4でも可能です。設問は可能になる最も上位のレベルを問うているので、S1は答えになりません。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問29(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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