第59回 午後 問17
理学療法治療学
85歳の男性。急性発症2日目の脳梗塞に対して、積極的に離床を行ってもよいのはどの場合か。2つ選べ。
- 1呼吸数40/分
- 2心拍数80/分
- 3神経症状の増悪
- 4平均血圧65 mmHg以上
- 5RASS〈Richmond Agitation Sedation Scale〉 -3
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✓ これが正解2心拍数80/分
✓ これが正解4平均血圧65 mmHg以上
解説
心拍数80/分と平均血圧65 mmHg以上は離床の開始基準の範囲内です。
急性期の脳梗塞では、早期の離床が機能の回復や合併症の予防に役立つ一方、全身状態が不安定なときに体を起こすと病状を悪化させるおそれがあります。そのため、呼吸・循環・意識などの項目について、積極的な離床を始めてよい目安が示されています。例えば日本集中治療医学会のエキスパートコンセンサスの開始基準では、心拍数は50拍/分以上120拍/分以下、平均血圧は65 mmHg以上が一定時間続いていることが条件に含まれます。心拍数80/分と平均血圧65 mmHg以上は、どちらもこの範囲に入るので、積極的に離床を進めてよい場合に当たります。
ほかの肢は目安を外れます。同じ基準で呼吸数は35回/分未満、意識の状態はRASSで−2から+1の範囲とされ、どちらも外れています。神経症状の増悪は、梗塞が広がっている可能性を示します。
呼吸・循環・意識・神経症状の4つを順に確かめ、どれか一つでも外れていたら離床を見合わせる、と整理しておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1呼吸数40/分:安静時の呼吸数が40/分というのは明らかな頻呼吸で、呼吸の負担が大きいか全身状態が不安定であることを示します。集中治療の領域の目安でも呼吸数35回/分未満が条件とされ、この値では離床を始めません。
- 3神経症状の増悪:発症2日目に麻痺や意識などの神経症状が悪くなっているのは、梗塞の拡大や再発の可能性を示します。体を起こすと脳の血流が落ちて悪化を助長するおそれがあり、離床は見合わせて医師の判断を仰ぎます。
- 5RASS〈Richmond Agitation Sedation Scale〉 -3:RASSは鎮静や興奮の程度を−5から+4で表す尺度で、−3は呼びかけに体の動きや開眼で反応するものの視線が合わない中等度の鎮静です。指示に応じて動ける状態ではなく、目安の−2〜+1から外れます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問17(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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