第58回 午後 問85
臨床医学
Ⅱ型呼吸不全では正常で、Ⅰ型呼吸不全で増加するのはどれか。
- 11秒率
- 2肺活量
- 3動脈血酸素分圧
- 4動脈血二酸化炭素分圧
- 5肺胞気-動脈血酸素分圧較差
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✓ これが正解5肺胞気-動脈血酸素分圧較差
解説
Ⅰ型呼吸不全で開き、Ⅱ型の換気不足だけなら正常なのはA-aDO2です。
呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が低下した状態で、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上がっていないものをⅠ型、上がっているものをⅡ型と分けます。この問は、その違いが生じる仕組みから、肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)の変化を判断します。
A-aDO2は、肺胞の中の酸素の分圧と、動脈血の酸素の分圧の差で、肺胞から血液へ酸素がうまく移っているかを表します。Ⅰ型呼吸不全は、換気と血流の釣り合いの乱れや拡散の障害、シャントなど、肺そのもののガス交換の障害で起こるので、A-aDO2は大きくなります。一方、呼吸の量そのものが足りない肺胞低換気によるⅡ型呼吸不全では、肺胞の酸素分圧も同じように下がるため、A-aDO2は正常のままです。設問の条件に合うのはA-aDO2です。
Ⅰ型とⅡ型の区別は二酸化炭素の値でつける一方、A-aDO2はガス交換の障害そのものを示す指標、と役割を分けて覚えておくと整理できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 11秒率:1秒率は息を一気に吐き出す力の指標で、気道が狭くなる閉塞性の障害で下がります。Ⅰ型呼吸不全で増加する値ではありません。
- 2肺活量:肺活量は胸郭や肺のふくらみやすさの影響を受け、拘束性の障害では減ります。呼吸不全のⅠ型でとくに増えるという値ではありません。
- 3動脈血酸素分圧:動脈血酸素分圧は、Ⅰ型でもⅡ型でも呼吸不全の基準に当たるほど低くなります。どちらかで正常に保たれたり、増えたりはしません。
- 4動脈血二酸化炭素分圧:動脈血二酸化炭素分圧が上がるのはⅡ型呼吸不全の特徴で、Ⅰ型では正常か低めです。設問の条件とは向きが逆です。
出典:第58回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問85(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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