第113回 午後 問77
人体の構造と機能
体温調節に関する問題
外傷や風邪で発熱し、解熱するまでの体温のセットポイントと実際の体温(核心温度)の変化の例を図に示す。全身のふるえが起こるのはどれか。
体温のセットポイントと実際の体温(核心温度)の変化の例:
- 縦軸は体温(℃)で36〜40、横軸は時間(途中に省略の波線がある)。
- 破線はセットポイントの設定値。はじめ約37℃で、「セットポイントの上昇」の時点で約39.5℃に上がり、「セットポイントの降下」の時点で約37℃に戻る。
- 実線は実際の体温(核心温度)。セットポイントの上昇の後ゆるやかに上がって約39.5℃で設定値に追いつき、その後は設定値付近で上下しながら推移する。セットポイントの降下の後はゆるやかに下がり約37℃に戻る。
- ①:セットポイントの上昇より前(設定値・実際の体温とも約37℃)。
- ②:セットポイントの上昇の直後から、実際の体温が設定値に達するまで(実際の体温が設定値より低く、上昇している)。
- ③:実際の体温が設定値付近で推移している時期(省略の波線の前)。
- ④:省略の波線の後、セットポイントの降下の直前まで(実際の体温は設定値付近)。
- ⑤:セットポイントの降下の直後から、実際の体温が設定値まで下がるまで(実際の体温が設定値より高く、下降している)。
- 1①
- 2②
- 3③
- 4④
- 5⑤
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✓ これが正解2②
解説
体温が上がったセットポイントより低いときに、ふるえが起こります。
体温は、視床下部の体温調節中枢が決める設定値(セットポイント)に近づくように調節されます。感染や外傷などで発熱物質がつくられるとセットポイントが引き上げられ、実際の体温(核心温度)が新しい設定値より低い状態になります。すると体は寒いと感じ、皮膚の血管を収縮させて熱を逃がさないようにし、骨格筋を細かく収縮させるふるえ(悪寒戦慄)で熱をつくります。
図では、セットポイントが約37℃から約39.5℃に上がった直後、実際の体温はまだ設定値より低く、ゆるやかに上昇しています。この区間が②で、熱をつくるためのふるえが起こるのはここです。
①はセットポイントが上がる前で、設定値と体温が一致しています。③と④は体温が設定値に追いつき、その付近で釣り合っている時期で、熱をつくる必要も逃がす必要も大きくありません。⑤はセットポイントが下がった直後で、体温が設定値より高いため、発汗や皮膚の血管の拡張で熱を逃がします。
覚え方は、体温が設定値より低いと寒気とふるえ、高いと発汗、と設定値との差の向きで考えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1①:①はセットポイントが上がる前で、設定値と実際の体温がどちらも約37℃でそろっています。熱をつくる必要がないので、全身のふるえは起こりません。
- 3③:③は実際の体温が上昇後の設定値まで達し、その付近で推移している時期です。設定値と体温がほぼ釣り合っているので、ふるえで熱をつくる必要はありません。
- 4④:④も波線の後で、体温は設定値付近で推移しています。熱の産生と放散が釣り合った状態が続いており、全身のふるえが起こる時期ではありません。
- 5⑤:⑤はセットポイントが下がった直後で、実際の体温が設定値より高くなっています。体は熱を逃がそうとして発汗や血管の拡張が起こり、ふるえとは逆の反応になります。
出典:第113回 看護師国家試験 午後(厚生労働省)問77(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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