第38回 問題26
人間関係とコミュニケーション
Aさんは有料老人ホームに入所したばかりである。ある日,廊下を行ったり来たりしているAさんに,B介護福祉職が声をかけた。Aさんは,「私の部屋はどこですか」と困った様子で答えた。B介護福祉職が,「ここから2つ隣の部屋です」と伝えると,Aさんは,「どこですか」と不安そうな表情で聞いた。B介護福祉職は非言語的コミュニケーションを用いて伝えることにした。
次の記述のうち,B介護福祉職が用いた非言語的コミュニケーションとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ゆっくり話した。
- 2大きな声で伝えた。
- 3Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。
- 4Aさんに近づいた。
- 5Aさんの部屋のドアを指差した。
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✓ これが正解5Aさんの部屋のドアを指差した。
解説
部屋のドアを指差すことが、非言語的コミュニケーションです。
事例の決め手は、Aさんが言葉で2つ隣の部屋だと説明されても分からず、不安そうに聞き返したため、B介護福祉職が言葉以外の手段で伝えることにした点です。
非言語的コミュニケーションは、身ぶりや手ぶり、表情、視線、姿勢、相手との距離、触れることなど、言葉を使わずに伝える方法です。Aさんの部屋のドアを指差すことは、場所を身ぶりで示す非言語的コミュニケーションで、言葉の説明が伝わりにくいAさんにも、目で見てすぐ分かる伝え方です。
話す速さや声の大きさは、言葉に伴う話し方の要素で、準言語(周辺言語)と呼ばれます。紙に部屋番号を書くのは、文字という言語を使う方法です。相手に近づくことは距離による非言語的な要素ですが、それだけでは部屋の場所は伝わりません。言葉そのものを使うかどうかで分けたうえで、伝えたい情報が届くかを確かめる、と考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ゆっくり話した。:ゆっくり話すのは、話す速さを変える工夫で、言葉を使った伝え方に含まれます。準言語と呼ばれる要素であり、言葉の説明で場所が分からなかったAさんに、部屋を示す方法にはなっていません。
- 2大きな声で伝えた。:声を大きくしても、伝えている中身は言葉そのものです。Aさんは聞こえなかったのではなく場所が分からなかったので、大きな声で同じ説明をくり返しても理解にはつながりにくい方法です。
- 3Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。:部屋番号を紙に書いて渡すのは、文字という言語を使う伝え方で、言葉以外の手段ではありません。番号を見てもどの部屋か分からないAさんには、場所が伝わりにくいままです。
- 4Aさんに近づいた。:相手に近づくことは、距離を使った非言語的な要素ではありますが、それだけでは部屋がどこにあるかという情報は伝わりません。安心感を与えることはあっても、場所を示す方法にはなっていません。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題26。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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