第38回 問題25
人間関係とコミュニケーション
新人職員のAさん(20歳)は,子どもの頃からの夢だった介護福祉職になり,がんばって働いていた。ただ,介護の技術をもっと学ぶ必要があるといつも感じていた。ある日,利用者Bさんに,「Aさんじゃダメだ,別の人を呼んで」と言われて,ショックを受けた。悩むうちに利用者とかかわりたくないと感じるようになり,眠れなくなってしまった。
次の記述のうち,このような状況にあるAさんが,ストレスを取り除くためにまず行うべき対処方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。
- 2介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。
- 3眠れるように,毎晩飲酒する。
- 4上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
- 5介護福祉職には向かないと判断して,転職する。
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✓ これが正解4上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
解説
まず上司や同僚に悩みを話し、助言を受けることが大切です。
事例の決め手は、新人のAさんが利用者Bさんの言葉にショックを受け、利用者とかかわりたくないと感じるようになり、眠れなくなっているという様子です。心身に不調が出始めており、一人で悩みを抱え込んでいる状態です。
ストレスへの対処(ストレスコーピング)には、原因そのものに働きかける方法と、気持ちを和らげる方法があり、その土台になるのが周囲の人からの支え(ソーシャルサポート)です。上司や同僚に悩みを話すと、気持ちが軽くなるだけでなく、利用者の言葉の背景や技術の学び方について具体的な助言も得られます。職場の支えをまず使うことが、最初に行う対処として最も適切です。
自分の不足を責める、さらに全力で頑張る、飲酒に頼る、すぐに転職を決めるといった対処は、心身の不調を深めたり、判断を急ぎすぎたりするおそれがあります。不調のサインが出たら一人で抱えず、まず人に話す、と覚えておくと選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。:学びが足りないと自分を責める方向の対処は、すでに眠れないほど追い込まれているAさんの負担をさらに重くします。まずは気持ちを受け止めてもらい、心身を整えることが先です。
- 2介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。:技術を高める努力そのものは大切ですが、眠れないほど疲れている今、全力で取り組むことを優先すると心身の不調が悪化するおそれがあります。ストレスを取り除くための最初の対処としては適切ではありません。
- 3眠れるように,毎晩飲酒する。:眠るために毎晩お酒を飲むと、眠りが浅くなったり、飲む量が増えていったりするおそれがあります。一時的に気分がまぎれても、ストレスの原因は解決せず、健康を損なう対処法です。
- 5介護福祉職には向かないと判断して,転職する。:不調が出ている最中に大きな決断をすると、後悔につながることがあります。一つの出来事だけで向いていないと判断する前に、周囲に相談して状況を整理することが先です。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題25。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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