第38回 問題1
人間の尊厳と自立
社会福祉の理念を発展させた人物に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)は,「ソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)」を提唱した。
- 2ニィリエ(Nirje, B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の8つの原理」を提唱した。
- 3ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)は,「エーデル改革」を提唱した。
- 4リッチモンド(Richmond, M.)は,「ケースワークの7原則」を提唱した。
- 5エリクソン(Erikson, E.)は,「自立生活運動の理念」を提唱した。
答えと解説を見る
✓ これが正解2ニィリエ(Nirje, B.)は,「ノーマライゼーション(normalization)の8つの原理」を提唱した。
解説
ニィリエが、ノーマライゼーションの8つの原理を示しました。
この問は、社会福祉の理念と、それを広めた人物の組み合わせで判断します。ノーマライゼーションは、障害のある人も地域社会の中でふつうの生活を送れるようにするという考え方で、デンマークのバンク-ミケルセンが唱え、スウェーデンのニィリエが内容を整理して広めました。
ニィリエは、1日・1週間・1年のふつうのリズム、ライフサイクルに応じたふつうの経験、本人の選択や願いの尊重、男女がともに暮らす世界、ふつうの経済的水準、ふつうの住環境の水準などを、8つの原理としてまとめました。ニィリエとノーマライゼーションの8つの原理を結ぶ記述が、正しい組み合わせです。
ほかの記述は、人物と理念が入れ替えてあります。ソーシャルロール・バロリゼーションはヴォルフェンスベルガー、ケースワークの7原則はバイステックに結びつく語で、エーデル改革はスウェーデンの高齢者ケアの制度改革、自立生活運動はアメリカの障害のある学生たちから始まった運動です。
ノーマライゼーションは、唱えたのがバンク-ミケルセン、8つの原理に整理したのがニィリエ、北米で発展させたのがヴォルフェンスベルガー、と三段で押さえておくと、入れ替えに気づきやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1バンク-ミケルセン(Bank-Mikke…:バンク-ミケルセンはデンマークの行政官で、ノーマライゼーションの考え方を最初に唱えた人物として知られます。社会的役割の価値づけを意味するソーシャルロール・バロリゼーションを唱えたのはヴォルフェンスベルガーで、人物が入れ替わっています。
- 3ヴォルフェンスベルガー(Wolfensb…:ヴォルフェンスベルガーは、ノーマライゼーションを北米に紹介し、のちにソーシャルロール・バロリゼーションへ発展させた人物です。エーデル改革は1992年にスウェーデンで行われた高齢者の医療と福祉の制度改革で、特定の個人が唱えたものではありません。
- 4リッチモンド(Richmond, M.)…:リッチモンドは、ケースワークを体系的にまとめ、ケースワークの母と呼ばれる人物です。個別化や意図的な感情表出などからなるケースワークの7原則をまとめたのはバイステックなので、組み合わせが違います。
- 5エリクソン(Erikson, E.)は,…:エリクソンは、人の一生を8つの段階に分けて発達課題を示した心理学者として知られます。自立生活運動は1960年代から70年代のアメリカで、障害のある学生たちが中心となって始めた運動で、エリクソンが唱えたものではありません。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題1。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)