第36回 問題45
認知症の理解
認知機能障害による生活への影響に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1遂行機能障害により,自宅がわからない。
- 2記憶障害により,出された食事を食べない。
- 3相貌失認により,目の前の家族がわからない。
- 4視空間認知障害により,今日の日付がわからない。
- 5病識低下により,うつ状態になりやすい。
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✓ これが正解3相貌失認により,目の前の家族がわからない。
解説
相貌失認では、顔を見ても家族だとわからなくなります。
この問は、認知機能障害の名前と、それが生活にどう表れるかの組合せを正しく結びつけられるかを問うています。判断の軸は、それぞれの障害がどんな働きの障害なのかを押さえることです。
相貌失認は、顔を見てもそれが誰かを認識できない障害です。目は見えていても、顔からその人を見分けることができないため、目の前にいる家族がわからないということが起こります。この組合せが正しく対応しています。
ほかの組合せは、障害と生活への影響がずれています。自宅がわからないのは、場所の見当識の障害などで説明されるもので、遂行機能障害は、計画を立てて段取りよく行動することの障害です。出された食事を食べないことを記憶障害で説明するのは無理があり、記憶障害なら食べたことを忘れて再び食事を求める、といった形で表れます。日付がわからないのは時間の見当識障害で、視空間認知障害は物の位置や距離をつかめない障害です。病識が低下すると自分の変化に気づきにくいため、そのことでうつ状態になりやすいとはいえません。
覚え方としては、障害名の中の漢字に注目し、相貌は顔、遂行は段取り、視空間は位置関係、と働きに置き換えてから生活場面と照らすと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1遂行機能障害により,自宅がわからない。:遂行機能障害は、料理の手順を組み立てるなど、計画を立てて段取りよく進めることが難しくなる障害です。自宅がわからないのは、場所の見当識の障害などにあたります。
- 2記憶障害により,出された食事を食べない。:記憶障害では、食事をしたこと自体を忘れて、また食事を求めるといった形で表れやすくなります。出された食事を食べないという状態は、記憶障害だけでは説明がつきません。
- 4視空間認知障害により,今日の日付がわからない。:視空間認知障害は、物の位置関係や距離がつかめず、いすにうまく座れないなどの形で表れます。今日の日付がわからないのは、時間についての見当識の障害です。
- 5病識低下により,うつ状態になりやすい。:病識とは、自分の病気や変化を自覚していることです。病識が低下すると自分の変化に気づきにくくなるので、そのことで落ち込みやすくなるという結びつきは逆です。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題45。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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