第109回 午前 問8
公衆衛生看護活動展開論
保健師は統合失調症で1年入院していた成人期のAさんへの退院支援を行った。Aさんは地域でつながりを持ちながら生活することを望んでいる。退院直後のAさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。
- 1就労定着支援を行う。
- 2近隣住民に見守りを依頼する。
- 3地域活動支援センターを紹介する。
- 4ピアサポーターとしての就労を勧める。
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✓ これが正解3地域活動支援センターを紹介する。
解説
退院直後は、人と交流できる地域活動支援センターを紹介します。
長期入院から地域へ移る精神障害者の支援は、本人の希望と回復の段階に合わせて、使える社会資源を段階的につないでいくという原則で判断します。
Aさんは統合失調症で1年入院しており、退院直後です。望んでいるのは地域でつながりを持ちながら生活することで、就労はまだ話題に出ていません。地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の一つで、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進などを行う通所の場です。日中に通える居場所ができ、仲間や職員との交流を通じて地域とのつながりを作れるため、退院直後のAさんの希望に合っています。したがって、地域活動支援センターを紹介する対応が適切です。
就労定着支援やピアサポーターとしての就労は、就労を前提にした支援で、生活が落ち着く前の段階では負担が大きくなります。近隣住民への見守りの依頼は、本人の同意のない病状の開示につながるおそれがあり、本人が自分でつながりを作る支援にはなりません。
見分け方として、退院直後はまず日中の居場所と交流の場、生活が安定してから就労の支援へと、段階の順で考えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1就労定着支援を行う。:就労定着支援は、一般就労に移った障害者が職場に定着できるよう支えるサービスで、すでに働いていることが前提です。退院直後で就労の段階にないAさんには合いません。
- 2近隣住民に見守りを依頼する。:近隣住民に見守りを頼むことは、Aさんの病気の情報を本人の意向なく伝えることにつながりかねません。Aさんが自分で地域の人とつながる力を育てる支援にもならないため、適切ではありません。
- 4ピアサポーターとしての就労を勧める。:ピアサポーターは、自身の経験を生かして同じ立場の人を支える役割で、本人の生活の安定と準備が必要です。退院直後の段階でこの就労を勧めるのは、Aさんの今の希望と段階に合いません。
出典:第109回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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