メモリ|エンベデッドシステムスペシャリスト試験
この分野には 27問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語はキャッシュ(14問)・システムの構成(2問)・監視(2問)です。問題が多い回は平成28年度 春期(4問)・平成31年度 春期(3問)・平成26年度 春期(3問)です。
速さ・容量・値段の釣り合いと、階層を通したときの実効速度
半導体メモリは仕組みで性格が決まります。DRAMはコンデンサの電荷で記憶するためセルが単純でビット単価が安い反面、定期的なリフレッシュが要ります。SRAMはフリップフロップで記憶し、高速でリフレッシュが要らないのでキャッシュに向きます。不揮発のFeRAMは強誘電体の分極を使い、フラッシュメモリより書換え可能回数が多く高速です。1セルに2ビット以上を記憶するMLCは、SLCより容量当たりの単価で有利な代わりに、書換え寿命や速度では劣ります。
キャッシュの実効アクセス時間は、ヒット率×キャッシュのアクセス時間+(1-ヒット率)×主記憶のアクセス時間で求めます。2段のキャッシュでは、L1でミスした残りのうちL2で見つかる分を足して全体のヒット率を出します。L1の内容が必ずL2にもある構成をインクルージョンキャッシュと呼びます。
ヒット率はプログラムの構造で変わります。短い時間に同じ場所や近い場所を繰り返し参照する性質が局所参照性で、ループや配列の順次処理で強く現れます。ブロックサイズを大きくすると近くのデータもまとめて取り込めるため、ミスが減りやすくなります。複数のプロセッサが主記憶を共有するときは、バスを監視して他のキャッシュの更新に追従するバススヌープで内容の一貫性を保ちます。
主記憶側の工夫として、主記憶を複数のバンクに分け、連続する番地を別のバンクに割り当てて並行にアクセスするメモリインタリーブがあります。データ転送速度は、1回に運べるバイト数をサイクルタイムで割って求めます。ウェイトが入るときは、基本のクロック数にウェイト数を足してからクロック周期を掛けると1回のアクセス時間になります。
番地の扱いも整理しておきます。ビッグエンディアンは上位のバイトを小さい番地に、リトルエンディアンは下位のバイトを小さい番地に置きます。ROMなどの番地の範囲は、どのアドレス線がチップセレクトにつながっているかから読み取ります。アドレス線を行と列で共用するDRAMでは、行の数だけのリフレッシュを決められた時間の中に割り振って間隔を求めます。
この分野で出た問題
- 平成21年度 春期 問162回出題WAITが入らないときには4クロックでメモリアクセスするMPUがある。メモリアクセスが最も速い組合せはどれか。
- 平成26年度 春期 問122回出題アドレス線が10本で,1Mワードの容量をもつDRAMがある。リフレッシュのためにDRAM内の全ROWアドレスを51.2ミリ秒の間に少なくとも1回は選択する必要がある。このときの平均リフレッシュ周期は何マイクロ秒か。
- 令和2年度 10月 問5キャッシュメモリのアクセス時間が主記憶のアクセス時間の1/30で,ヒット率が95%のとき,実効メモリアクセス時間は,主記憶のアクセス時間の約何倍になるか。
- 令和5年度 秋期 問4ビッグエンディアン方式を採用しているCPUが,表のようにデータが格納された主記憶の1000番地から2バイトのデータを,16ビット長のレジスタにロードしたとき,レジスタの値はどれになるか。ここで,番地及びデータは全て16進表示である。
- 平成25年度 春期 問42回出題マルチコアプロセッサで用いられるスヌープキャッシュの説明として,適切なものはどれか。
- 平成30年度 春期 問2図に示すマルチプロセッサシステムにおいて,各 MPU のキャッシュメモリの内容を正しく保つために,共有する主記憶の内容が変化したかどうかを監視する動作はどれか。
- 平成31年度 春期 問515Mバイトのプログラムを圧縮して,フラッシュメモリに格納している。プログラムのサイズは圧縮によって元のサイズの40%になっている。フラッシュメモリから主記憶への転送速度が20Mバイト/秒であり,1Mバイトに圧縮されたデータの展開に主記憶上で0.03秒が掛かるとき,このプログラムが主記憶に展開されるまでの時間は何秒か。ここで,フラッシュメモリから主記憶への転送と圧縮データの展開は同時には行われないものとする。
- 令和7年度 秋期 問3FeRAMの説明として,適切なものはどれか。
- 平成28年度 春期 問13FeRAMの説明として,適切なものはどれか。
- 令和6年度 秋期 問3L1とL2の2段のキャッシュをもつプロセッサにおいて,あるプログラムを実行したとき,L1キャッシュのヒット率が0.95,L2キャッシュのヒット率が0.6であった。このキャッシュシステムのヒット率は幾らか。ここでL1キャッシュにあるデータは全てL2キャッシュにもあるものとする。
- 平成26年度 春期 問4L1,L2の2レベルで構成されるインクルージョンキャッシュの説明として,適切なものはどれか。
- 平成31年度 春期 問2MLC(Multi-Level Cell)フラッシュメモリの特徴として,適切なものはどれか。
- 平成29年度 春期 問3SLC(Single-Level Cell)型と比較したとき,MLC(Multi-Level Cell)型のフラッシュメモリの優れている点はどれか。
- 令和7年度 秋期 問9SRAMと比較した場合のDRAMの特徴はどれか。
- 平成27年度 春期 問2キャッシュメモリに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 平成23年度 特別 問2セットアソシアティブ方式のキャッシュメモリを含めたメモリシステムの平均メモリアクセス時間を短縮するために行う対策のうち,ライト時のミスペナルティを増加させるものはどれか。
- 平成21年度 春期 問5バス幅が16ビット,メモリサイクルタイムが80ナノ秒で連続して動作できるメモリがある。このメモリのデータ転送速度は何Mバイト/秒か。ここで,Mは10^6を表す。
- 平成22年度 春期 問15プログラムと定数をROMから読み出すために,アドレスバスとチップセレクト信号(C̅S̅)を図のように接続した。アドレスバスはA_0がLSBである。このROMにアクセスできるメモリアドレスの範囲はどれか。ここで,解答群の数値は16進数で表記してある。
- 令和5年度 秋期 問7プログラムの局所参照性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 令和3年度 秋期 問3メモリインタリーブの説明として,適切なものはどれか。
- 平成31年度 春期 問3メモリインタリーブの説明として,適切なものはどれか。
- 平成26年度 春期 問2外部記憶をもたない組込みシステムにおけるMMU(Memory Management Unit)の活用法として,適切なものはどれか。
- 平成21年度 春期 問4容量64kバイト,ブロックサイズ32バイトのキャッシュメモリをもつ32ビットMPUが,主記憶から1Mバイトの32ビット整数型配列データを連続して読み出した。このとき,キャッシュメモリのミスヒット率は何%か。ここで,配列データ以外のデータはレジスタに割り当てられているものとし,kは2^10,Mは2^20を表す。
- 平成28年度 春期 問3画面表示用フレームバッファがユニファイドメモリ方式であるシステムの特徴はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 15年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 秋期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。