平成29年度 春期 午前Ⅱ 問11
ハードウェア
PLLに関する問題
図に示す PLL がロック状態の場合,出力周波数 f_out を基準周波数 f_ref で表したものはどれか。ここで,分周器の分周比は N とする。
PLL の構成図:
f_ref ──→ 位相比較器 ── ループフィルタ ── 電圧制御発振器(VCO) ──┬──→ f_out
↑ │
└──────────────── 1/N 分周器 ←─────────────────────┘- アf_ref/N
- イN/f_ref
- ウ1/Nf_ref
- エNf_ref
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✓ これが正解エNf_ref
解説
ロック時は f_out/N=f_ref なので f_out=Nf_ref です。
PLL は、電圧制御発振器(VCO)の出力を分周器で 1/N にしてから位相比較器へ戻し、基準周波数 f_ref と比べます。周波数や位相に差があれば、その差をループフィルタで平滑した電圧で VCO の発振周波数を修正し、差が無くなるまで調整します。差が無くなって安定した状態がロック状態で、このとき位相比較器に入る二つの周波数は等しくなります。比較器に戻る周波数は f_out/N なので、f_out/N=f_ref が成り立ち、両辺に N を掛けて f_out=N×f_ref が得られます。分周比 N を変えれば基準周波数の N 倍の周波数を作れることが、PLL を周波数の逓倍に使う理由です。帰還の経路で割った分だけ出力は掛け算される、と覚えると式を取り違えません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アf_ref/N:f_ref/N は、基準周波数を N 分の1にした値です。この回路で分周器が入っているのは出力から比較器へ戻る経路なので、割られるのは f_out の側であり、出力が基準より低くなる向きにはなりません。
- イN/f_ref:N/f_ref は、周波数で割る形になっているため、値の次元が周波数ではなく時間になります。出力周波数を表す式としては単位が合わず、ロック条件の f_out/N=f_ref を変形しても出てこない形です。
- ウ1/Nf_ref:1/Nf_ref も周波数の逆数の形で、次元が時間になってしまいます。ロック条件から f_out を求めると N と f_ref の積になるので、それを分母に置いたこの式とは逆の関係です。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問11
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