令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規(電気技術者試験センター)問11(a)
法規
リアクタンスに関する問題
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変電所から三相3線式1回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線1条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ3 Ω及び5 Ωである。この需要家の使用電力が8 000 kW,負荷の力率が0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 需要家の受電電圧が20 kVのとき,変電所引出口の電圧[kV]の値として,最も近いのは次のうちどれか。
- 121.6
- 222.2
- 322.7
- 422.9
- 523.1
答えと解説
✓ これが正解322.7
解説
電圧降下2 700 Vを受電電圧に足し、引出口は22.7 kVです。
三相3線式の配電線の電圧降下は、線電流をI、電線1条当たりの抵抗をR、リアクタンスをX、負荷の力率角をθとすると、近似式 v=√3I(Rcosθ+Xsinθ)で求めます。変電所引出口の電圧は、需要家の受電電圧にこの電圧降下を足した値です。
まず線電流を求めます。三相電力の式 P=√3VIcosθ より、I=P÷(√3Vcosθ)=8 000×10³÷(√3×20×10³×0.8)=288.7 Aです。力率0.8なので、sinθ=√(1−0.8²)=0.6です。
電圧降下は、v=√3×288.7×(3×0.8+5×0.6)=√3×288.7×5.4=2 700 Vです。よって変電所引出口の電圧は、20 000+2 700=22 700 V=22.7 kVです。
別の形でも確かめます。√3Icosθ=P÷V なので、近似式は v=(P÷V)×(R+Xtanθ)とも書けます。tanθ=0.6÷0.8=0.75で、v=(8 000×10³÷20×10³)×(3+5×0.75)=400×6.75=2 700 Vとなり、同じ値になります。
電圧降下の近似式は、抵抗にcosθ、リアクタンスにsinθを掛けて√3Iを掛ける、と組で覚えると取り違えません。
ほかの選択肢の解説
- 121.6:√3を掛け忘れて、288.7×5.4=1 559 Vを電圧降下とすると、20+1.559=21.6 kVになります。三相3線式の線間の電圧降下は、1相分に√3を掛けて求めます。
- 222.2:電流を力率で割らずに I=8 000×10³÷(√3×20×10³)=230.9 Aとすると、電圧降下は√3×230.9×5.4=2 160 Vで、22.2 kVになります。線電流は有効電力を√3Vcosθで割って求めます。
- 422.9:抵抗にsinθ、リアクタンスにcosθを掛けて 3×0.6+5×0.8=5.8 Ωとすると、電圧降下は√3×288.7×5.8=2 900 Vで22.9 kVになります。cosθとsinθの掛け方が逆です。
- 523.1:√3の代わりに2を掛けて 2×288.7×5.4=3 118 Vとすると、23.1 kVになります。往復2線で考える単相2線式の式で、三相3線式では√3を使います。
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規 問11(a)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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