令和3年度 秋期 午前Ⅱ 問15
労働関連・取引関連法規
民法の契約不適合責任に関する記述
A社は,B社に発注したソフトウェア開発と,それを稼働させるサーバとクライアントPCの売買が,契約内容に適合しない事実を知った。民法の契約不適合責任に関する記述として,適切なものはどれか。ただし,A社とB社の間で契約不適合責任に関する特約は合意されていないものとする。
- アA社が,その方法を指定した上で目的物の修補,代替物又は不足分の引渡しの請求を行った場合,B社は,A社が指定した方法に必ず従う必要がある。
- イA社には,契約不適合の程度に応じた目的物の修補,代替物又は不足分の引渡し,損害賠償,契約の解除,履行の追完請求後の報酬減額を求める権利がある。
- ウA社は,目的物の修補,代替物又は不足分の引渡しの請求を行う場合,成果物の引渡しから1年以内に請求をしなければならない。
- エ契約不適合責任は,無過失責任に該当するので,B社の帰責事由の有無にかかわらず,A社には損害賠償請求が認められる。
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✓ これが正解イA社には,契約不適合の程度に応じた目的物の修補,代替物又は不足分の引渡し,損害賠償,契約の解除,履行の追完請求後の報酬減額を求める権利がある。
解説
買主は追完、代金減額、損害賠償、契約の解除を求めることができます。
2020年4月施行の改正民法は、引き渡された目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しない場合の責任を、契約不適合責任として定めています。買主や注文者は、まず目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しといった履行の追完を請求できます。相当の期間を定めて追完を求めても応じてもらえないときは、不適合の程度に応じた代金や報酬の減額を求めることができます。これらに加えて、債務不履行の一般的な規定に基づく損害賠償の請求や契約の解除も認められます。この問のA社は、これらの手段を使える立場にあります。追完、減額、損害賠償、解除の四つを並べて覚えておくと、権利の範囲を狭めたり条件を変えたりした記述に気づけます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アA社が,その方法を指定した上で目的物の修…:買主が追完の方法を指定しても、売主は買主に不相当な負担を課するものでなければ、指定と異なる方法で追完することが認められています。B社が指定された方法に常に従う義務を負うという説明は、民法の定めと合いません。
- ウA社は,目的物の修補,代替物又は不足分の…:期間の制限は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を相手方に通知しなければならないというものです。引渡しから1年以内に請求まで済ませる必要があるという説明は、起算点も求められる行為も異なっています。
- エ契約不適合責任は,無過失責任に該当するの…:損害賠償の請求は債務不履行の一般的な規定に従うため、B社に帰責事由がない場合には認められません。追完や代金減額の請求と違い、損害賠償には相手の帰責事由が必要なので、無過失責任とする説明は誤りです。
この問題の用語
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
出典:令和3年度 秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問15
同じ用語が出る問題
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問15:民法の契約不適合責任に関する記述(契約)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問11:前払式支払手段に関する問題(契約)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問10:業務処理統制に該当するもの(契約)
- 平成29年度 春期 午前Ⅱ 問10:全社的な内部統制に関する問題(契約)
- 平成26年度 春期 午前Ⅱ 問3:内部統制に関する問題(契約)
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