平成31年度 春期 午前Ⅱ 問13
知的財産権
営業秘密に関する問題
不正競争防止法において,営業秘密を保有者から示された者が複製を行い,不正の利益を得ようとした場合,営業秘密侵害罪として刑事罰の対象となるのはどの時点からか。
- ア営業秘密の複製を企図した時点
- イ営業秘密を複製した時点
- ウ複製した営業秘密を使用又は開示した時点
- エ複製した営業秘密を使用又は開示して,不正の利益を得た時点
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✓ これが正解イ営業秘密を複製した時点
解説
営業秘密を不正な目的で複製した時点で処罰の対象になります。
見分ける軸は、どの行為が営業秘密侵害罪の対象として定められているかです。不正競争防止法は、営業秘密を保有者から示された者が、不正の利益を得る目的などで、その営業秘密の管理に係る任務に背き、記録媒体の記載を複製するなどの方法で営業秘密を領得する行為を処罰の対象としています。つまり、示された営業秘密を不正な目的で複製した段階で罪が成立し、その後に使ったり開示したりしたか、実際に利益を得たかは成立の条件になりません。複製した営業秘密を使う行為や開示する行為は、それぞれ別の類型としても処罰されます。不正な目的での持ち出しの段階から処罰の網がかかる、と覚えておくと、時点を問う問いで迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア営業秘密の複製を企図した時点:複製を企図した時点では、まだ営業秘密を写し取る行為は行われていません。営業秘密侵害罪は、任務に背いて複製を作成するなどの具体的な行為を対象としており、考えただけの段階はこの問で問われる処罰の時点に当たりません。
- ウ複製した営業秘密を使用又は開示した時点:使用や開示はそれ自体も処罰される行為ですが、この問の時点としては遅すぎます。不正の利益を得る目的で複製を作成した段階ですでに罪が成立するので、使用や開示を待つ必要はありません。
- エ複製した営業秘密を使用又は開示して,不正…:不正の利益を実際に得たかどうかは、この罪の成立に必要な条件ではありません。不正の利益を得る目的があれば足り、その目的で複製した時点で処罰の対象になるので、利益を得た時点まで待つ理由はありません。
この問題の用語
- 営業秘密秘密として管理され、事業に有用で、公然と知られていない情報です。この三つがそろってはじめて、不正競争防止法で守られます。
- 不正競争防止法事業者どうしの公正な競争を守る法律。秘密として管理された非公開で事業に役立つ情報を、営業秘密として保護します。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問13
同じ用語が出る問題
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