令和2年度 10月 午前 問79
法務
マイナンバー法に関する問題
マイナンバー法の個人番号を取り扱う事業者が特定個人情報の提供をすることができる場合はどれか。
- アA 社からグループ企業である B 社に転籍した従業員の特定個人情報について,B 社での給与所得の源泉徴収票の提出目的で,A 社が B 社から提出を求められた場合
- イA 社の従業員が B 社に出向した際に,A 社の従業員の業務成績を引き継ぐために,個人番号を業務成績に付加して提出するように,A 社が B 社から求められた場合
- ウ事業者が,営業活動情報を管理するシステムを導入する際に,営業担当者のマスタ情報として使用する目的で,システムを導入するベンダから提出を求められた場合
- エ事業者が,個人情報保護委員会による特定個人情報の取扱いに関する立入検査を実施された際,同委員会から資料の提出を求められた場合
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✓ これが正解エ事業者が,個人情報保護委員会による特定個人情報の取扱いに関する立入検査を実施された際,同委員会から資料の提出を求められた場合
解説
監督機関の立入検査での資料提出が該当します。
マイナンバー法は、個人番号を含む情報を特定個人情報と呼び、その提供を原則として禁じたうえで、社会保障・税・災害対策の三つの分野の事務や、法令に基づく調査など、あらかじめ定められた場合に限って例外として認めるという構造を取っています。ですから設問の四つの場面のなかから提供できるものを選ぶときは、その場面が法の定める例外に当てはまるかを一つずつ確かめるのが筋になります。例外の代表となるのが、法の運用を監督する機関からの法令に基づく調査です。設問の場面のなかで、法定の監督機関が事業者の取扱いを検査するときに資料の提出を求めるものは、この例外の中心にあたり、事業者はこれに応じて資料を提供できます。ほかの場面は、グループ会社間で従業員に関わる書類を作るために求められる場面や、出向先へ人事情報の引き継ぎに個人番号を添えて渡すよう求められる場面、あるいはシステムを導入するベンダにマスタとして渡すよう求められる場面で、いずれも法の定める限られた事務や監督の枠には入りません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アA 社からグループ企業である B 社に転…:A 社からグループ企業である B 社に転籍した従業員の特定個人情報について、B 社での給与所得の源泉徴収票の提出目的で、A 社が B 社から提出を求められた場面だと書かれています。転籍先が源泉徴収票を作る場合には本人からあらためて個人番号を取得する枠組みで、会社間で直接受け渡すことは提供制限の下で認められません。
- イA 社の従業員が B 社に出向した際に,…:A 社の従業員が B 社に出向した際に、業務成績を引き継ぐために、個人番号を業務成績に付加して提出するように、A 社が B 社から求められた場面だと書かれています。出向先への引き継ぎは法が例外として認める三つの分野の事務のいずれにも当たらず、この目的では提供が認められません。
- ウ事業者が,営業活動情報を管理するシステム…:事業者が、営業活動情報を管理するシステムを導入する際に、営業担当者のマスタ情報として使用する目的で、システムを導入するベンダから提出を求められた場面だと書かれています。ベンダは法定の監督機関ではなく通常の取引先の位置にあり、業務システムのマスタ用途に個人番号を渡す枠組みは認められていません。
この問題の用語
- マイナンバー法個人番号の使い方を定めた法律のこと。使える事務が税や社会保障などに限られ、業務成績の管理などには利用できません。
- 特定個人情報個人番号を含む個人情報のこと。決められた事務のためならファイルを作れますが、業務成績の管理などに使うことは禁じられています。
- 個人番号住民一人ひとりに割り当てられる12桁の番号のこと。税や社会保障などの決められた事務にだけ使え、業務成績の管理には使えません。
出典:令和2年度 10月 応用情報技術者試験 午前 問79
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