平成28年度 春期 午前 問60
システム監査
外部委託管理の監査に関する記述
外部委託管理の監査に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア請負契約においては,委託側の事務所で作業を行っている受託側要員のシステムへのアクセス管理が妥当かどうかを,委託側が監査できるように定める。
- イ請負契約の場合は,受託側要員に対する委託側責任者の指揮命令が適切に行われているかどうかを,委託側で監査する。
- ウ外部委託で開発した業務システムの品質管理状況は,委託側で監査する必要はなく,受託側で監査すべきである。
- エ機密度が高い業務システムの開発を外部に委託している場合は,自社開発に切り替えるよう改善勧告する。
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✓ これが正解ア請負契約においては,委託側の事務所で作業を行っている受託側要員のシステムへのアクセス管理が妥当かどうかを,委託側が監査できるように定める。
解説
請負では指示できないので監査できるよう定めます。
請負契約では、受託側が仕事の完成を約束します。誰にどう作業させるかを決めるのは受託側であり、委託側は受託側の要員に直接の指揮命令をしません。ここが外部委託管理の監査を考えるときの土台になります。ただし、指示ができないからといって、任せたあとは何も見なくてよいという話にはなりません。自社の情報システムを使わせる以上、その要員にどこまでの権限を与えているかが妥当かどうかを確かめる責任は、委託側に残ります。つまり、指揮命令という形ではなく監査という形で関わることになります。そしてそのためには、監査してよいということをあらかじめ契約に定めておく必要があります。委託しても情報を守る責任は委託元に残る、という原則を、監査の側から形にしたものだと考えてください。読み分けの手がかりは、その記述が委託側の責任の範囲を正しく捉えているかどうかです。持っていない権限を前提に置いていないか、持ち続けている責任を相手に渡してしまっていないか、そして監査人が自分の役目を超えて経営そのものの判断に踏み込んでいないか。残る三つの記述は、この三つの角度のいずれかで外れています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ請負契約の場合は,受託側要員に対する委託…:請負契約の場合に、受託側要員に対する委託側責任者の指揮命令が適切に行われているかどうかを、委託側で監査すると述べています。請負では委託側にその権限がないので、あるはずのないものを監査の対象に据えています。
- ウ外部委託で開発した業務システムの品質管理…:外部委託で開発した業務システムの品質管理状況は、委託側で監査する必要はなく、受託側で監査すべきであると述べています。納品を受けて使うのは委託側なので、品質を確かめる責任まで相手に渡すことはできません。
- エ機密度が高い業務システムの開発を外部に委…:機密度が高い業務システムの開発を外部に委託している場合は、自社開発に切り替えるよう改善勧告すると述べています。委託するかどうかは経営の判断であり、監査人が見るのは委託の管理が適切に行われているかどうかです。
この問題の用語
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- 外部委託業務の一部または全部を、外部の専門的な企業へ任せることです。任せる範囲や品質、費用、責任の分担を、契約で取り決めます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
- アクセス管理誰がどの情報にどこまで触れてよいかを決めて保つ仕事。退職者のIDが残っていないかを名簿と突き合わせます。
- 機密決められた人以外に見せてはならない、という扱いのことです。社外秘などの区分を決め、書類に表示して全員に周知します。
- 改善勧告監査で見つかった問題について、直すよう促す申し入れのことです。事実の誤りがないかを相手と確かめてから、報告書に載せます。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問60
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問58:ウォークスルー法の説明(機密)
- 令和6年度 秋期 午前 問79:労働者派遣法に関する問題(指揮命令)
- 令和6年度 秋期 午前 問64:BPRに関する問題(外部委託)
- 令和5年度 秋期 午前 問80(請負契約)
- 平成29年度 春期 午前 問58:改善勧告に関する説明(改善勧告)
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