平成22年度 秋期 午前 問55
サービスマネジメント
移行に関する問題
システムの開発部門と運用部門が別々に組織化されているとき,開発から運用への移行を円滑かつ効果的に進めるための方法のうち,適切なものはどれか。
- ア運用テストの完了後に,開発部門がシステム仕様と運用方法を運用部門に説明する。
- イ運用テストは,開発部門の支援を受けずに,運用部門だけで実施する。
- ウ運用部門からもシステム開発に積極的に参加し,運用性の観点から助言する。
- エ開発部門は運用テストを実施して,運用マニュアルを作成し,運用部門に引き渡す。
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✓ これが正解ウ運用部門からもシステム開発に積極的に参加し,運用性の観点から助言する。
解説
運用側が開発の最中から関わります。
作り終えてから引き渡すという進め方は、移行がうまくいかない典型です。渡された側から見て扱いにくい作りになっていても、その時点ではもう直せないからです。判定の軸は、運用を受け持つ側がいつ登場するかという一点になります。四つの記述をこの物差しで並べ、最も早く登場するものを選びます。正解は、運用部門からもシステム開発に積極的に参加し、運用性の観点から助言するという記述です。開発の最中に運用の目が入れば、監視のしやすさ、障害が起きたときの切り分けやすさ、バックアップを取る時間帯、夜間の一括処理をいつ走らせるかといった運用性を、まだ直せるうちに設計へ反映できます。受け取る側にとっても、引き取る前にそのシステムを理解できるという利点があります。作る側と運用する側の間の壁を低くしておくという考え方で、後に一つの流儀として名前が付くほど定着しました。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア運用テストの完了後に,開発部門がシステム…:試験が済んでから説明するという順序で、登場が遅すぎます。その試験は本来、受け持つ側が主になって進める段ですから、そこまで内容を知らされていないという前提自体がひっくり返っています。
- イ運用テストは,開発部門の支援を受けずに,…:作った側の支えを受けずに単独で行うという点が行き過ぎています。主になって進めることと、独りきりでやることは別で、障害の切り分けや仕様の確かめには作った側の手助けがいります。
- エ開発部門は運用テストを実施して,運用マニ…:作った側が試験まで済ませ、手引きまで書いて渡すという形で、受け持つ側の関与が最後まで現れません。手引きは実際に動かす人の手順に沿っていなければ、書かれていても使われません。
この問題の用語
- 移行いまのシステムから新しいシステムへ、業務とデータを移し替えることです。切り替えの手順と、途中で起きる問題の備えが要になります。
- 部門組織の中で、仕事の種類や担当ごとに分けられたまとまりです。専門ごとに分ける分け方と、製品や地域ごとに分ける分け方があります。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 運用テスト本番と同じ環境で、実際の業務のとおりに動くかを利用者と運用者が確かめるテストです。開発の最後に、本番稼働の前に行います。
出典:平成22年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問55
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