令和3年度 北海道 午後 問78
人体の働きと医薬品
肝初回通過効果に関する問題
薬の代謝、排泄に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する医薬品の有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも、肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。
b 小腸などの消化管粘膜や腎臓には、医薬品の代謝活性がない。
c 腎機能が低下した人では、正常の人よりも医薬品の有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。
d 有効成分が代謝を受けると、作用を失ったり、作用が現れたり、あるいは体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化したりする。
(肢は a b c d の順の正誤)
- 1正 誤 誤 正
- 2誤 正 誤 誤
- 3正 誤 正 誤
- 4誤 正 誤 正
- 5誤 誤 正 誤
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✓ これが正解3正 誤 正 誤
解説
aとcが正。消化管粘膜や腎臓にも代謝活性があり、代謝で水溶性に
手引き第2章の薬が働く仕組み(代謝と排泄)の知識で判断します。
aは正しい記述です。経口投与された有効成分は、消化管で吸収された後、門脈を経てまず肝臓で代謝を受けます。そのため全身循環に移行する量は、消化管で吸収された量よりも肝臓で代謝された分だけ少なくなり、これを肝初回通過効果といいます。bは誤りです。小腸などの消化管粘膜や腎臓にも、かなり強い医薬品の代謝活性があることが明らかにされています。代謝活性がない、という部分が誤りです。cは正しい記述です。腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。そのため作用が強く出たり、副作用が生じやすくなったりします。dは誤りです。有効成分は代謝を受けると、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりします。脂溶性ではありません。
したがって、a正・b誤・c正・d誤の組み合わせが正解です。尿は水が主体なので、排泄されやすくなるとは水に溶けやすくなること、と考えるとdを見抜けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1正 誤 誤 正:cを誤り、dを正しいとしている点が違います。腎機能が落ちると尿中への排泄が遅れて血中濃度が下がりにくくなり、代謝で排泄されやすくなる物質は脂溶性ではなく水溶性です。
- 2誤 正 誤 誤:aとcを誤り、bを正しいとしていますが、肝初回通過効果の説明も腎機能低下時の排泄の遅れも正しい内容です。消化管粘膜や腎臓にも代謝活性はあります。
- 4誤 正 誤 正:四つの判定がすべて逆になっています。aとcは正しく、消化管粘膜や腎臓にも代謝活性があり、代謝後に排泄されやすくなるのは水溶性の物質なのでb・dは誤りです。
- 5誤 誤 正 誤:aを誤りとしている点が違います。消化管で吸収された有効成分が肝臓で代謝を受け、その分だけ全身循環への移行量が減ることを肝初回通過効果といい、記述は正しいものです。
出典:令和3年度 北海道登録販売者試験 午後(北海道)問78(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、正誤・穴埋めの表を1行に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、北海道とは関係ありません。
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