第37回 問題63
刑事司法と福祉
2004年(平成16年)に制定された犯罪被害者等基本法に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
- 1同法における犯罪被害者等とは,犯罪等により害を被った者及び遺族を除いた家族をいう。
- 2同法の目的の一つに,再犯の防止と犯罪による被害を受けることの防止がある。
- 3同法に基づき,ストーカー行為を規制するための処罰が整備された。
- 4同法の基本的施策の一つに,損害賠償の請求についての援助がある。
- 5同法に基づき,政府は犯罪被害者等基本計画を定めなければならない。
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✓ これが正解4同法の基本的施策の一つに,損害賠償の請求についての援助がある。
✓ これが正解5同法に基づき,政府は犯罪被害者等基本計画を定めなければならない。
解説
損害賠償の請求への援助と、政府の基本計画の策定が正しい記述です。
2つ選ぶ問です。犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者等のための施策の基本理念を定め、国・地方公共団体・国民の責務を明らかにした法律です。具体的な規制や処罰を定める法律ではなく、施策の方向を示す基本法である点がこの問の軸になります。
正しい一つ目は、基本的施策の一つに損害賠償の請求についての援助があるという記述です。同法第12条は、国及び地方公共団体は、犯罪被害者等の行う損害賠償の請求についての援助などの施策を講ずるものとすると定めています。正しい二つ目は、政府は犯罪被害者等基本計画を定めなければならないという記述です。同法第8条は、政府は施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等基本計画を定めなければならないとしています。
ほかの記述は、定義の範囲、法律の目的、根拠となる法律の取り違えです。同法のいう犯罪被害者等には、害を被った本人だけでなく、その家族や遺族も含まれます。見分け方は、基本法は理念・責務・基本計画・基本的施策の枠組みを定める法律であり、処罰や規制、再犯の防止はそれぞれ別の法律が受け持つ、と区別することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1同法における犯罪被害者等とは,犯罪等により害を被った者及び遺族を除いた家族をいう。:同法の犯罪被害者等は、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族と定義されています。遺族を除くとする記述は、定義の範囲を狭めており、条文の内容と合いません。
- 2同法の目的の一つに,再犯の防止と犯罪による被害を受けることの防止がある。:同法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としています。再犯の防止は、2016年に制定された再犯の防止等の推進に関する法律が目的とするもので、この基本法の目的ではありません。
- 3同法に基づき,ストーカー行為を規制するための処罰が整備された。:ストーカー行為を規制し処罰する仕組みは、2000年に制定されたストーカー行為等の規制等に関する法律によるものです。犯罪被害者等基本法より前にできた別の法律で、同法に基づくものではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題63。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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