第36回 問題129
高齢者福祉
移動の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1片麻痺がある人が杖歩行を行う場合,杖は麻痺側に持つ。
- 2左片麻痺者が階段を上る時は,杖の次に左足を上げる。
- 3視覚障害者の歩行介助を行う場合,介助者は視覚障害者の後方を歩く。
- 4片麻痺がある人のベッドから車いすへの移乗では,車いすを要介護者の健側に置く。
- 5車いすで大きな段差を下るときは,前向きで降りる。
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✓ これが正解4片麻痺がある人のベッドから車いすへの移乗では,車いすを要介護者の健側に置く。
解説
片麻痺の人の移乗では、車いすを健側に置きます。
移動の介護では、片麻痺のある人の場合、動かしやすい健側(麻痺のない側)の力を生かし、麻痺のある患側を守ることが基本になります。この問は、杖歩行、階段、歩行介助、移乗、段差の各場面で、この基本に合った方法かどうかで判断します。
ベッドから車いすへ移乗するときは、車いすを要介護者の健側に置きます。健側の手で車いすのアームサポートをつかみ、健側の足を軸にして体の向きを変えることができるため、本人の力を使って安全に移れるからです。車いすはベッドに対して斜めに近づけ、ブレーキをかけてから移乗するのが一般的です。したがって、車いすを健側に置くという記述が最も適切です。
ほかの場面も確かめておきます。杖は健側の手に持ち、杖、患側の足、健側の足の順に進むのが基本です。階段を上るときは、杖の次に健側の足を上げ、最後に患側の足をそろえます。左片麻痺の人であれば、杖の次に上げるのは右足です。視覚障害者の歩行介助では、介助者は半歩前に立ち、腕や肩につかまってもらって誘導します。車いすで大きな段差を下るときは、後ろ向きになって後輪からゆっくり降ろし、前に転げ落ちるのを防ぎます。
移動の介護の問では、持つのは健側、移るのも健側、上るときは健側から、下るときは患側から、と健側を起点に覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1片麻痺がある人が杖歩行を行う場合,杖は麻痺側に持つ。:杖は健側(麻痺のない側)の手に持ちます。麻痺側に持つと杖を十分に操作できず、体重も支えにくくなるため、転倒の危険が高まります。
- 2左片麻痺者が階段を上る時は,杖の次に左足を上げる。:階段を上るときは、杖の次に健側の足を上げ、患側をあとからそろえます。左片麻痺の人なら健側は右なので、杖の次に左足を上げるという順序は誤りです。
- 3視覚障害者の歩行介助を行う場合,介助者は視覚障害者の後方を歩く。:目の見えない人を誘導するときは、介助者が半歩ほど先に立ち、肘や肩に手を添えてもらいます。後ろからついて歩く形では、段差や障害物を先に伝えられません。
- 5車いすで大きな段差を下るときは,前向きで降りる。:大きな段差を前向きで下ると、利用者が前へ投げ出されるおそれがあります。後ろ向きになり、後輪から静かに降ろすのが安全な方法です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題129。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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