第38回 問題87
高齢者福祉
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律について,次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
- 1事業主は,雇用する高年齢者が職業生活の充実を図ることができるようにするため,職業生活の設計について必要な援助を行うよう努めるものとされている。
- 2事業主は,雇用する労働者の定年の定めをする場合,鉱業における坑内作業の業務を除き,60歳を下回ることができない。
- 3定年を65歳未満と定めている事業主は,高年齢者雇用確保措置として,70歳までの継続雇用制度の措置を講じなければならない。
- 4定年を65歳以上70歳未満の範囲に定めている事業主は,高年齢者就業確保措置として,高年齢者の定年を75歳まで引き上げる措置を講じなければならない。
- 5定年を65歳以上70歳未満と定めている事業主は,創業支援等措置として,高年齢者が75歳まで継続的に従事できる社会貢献事業を実施しなければならない。
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✓ これが正解1事業主は,雇用する高年齢者が職業生活の充実を図ることができるようにするため,職業生活の設計について必要な援助を行うよう努めるものとされている。
✓ これが正解2事業主は,雇用する労働者の定年の定めをする場合,鉱業における坑内作業の業務を除き,60歳を下回ることができない。
解説
高年齢者への職業生活設計の援助(努力義務)と60歳以上定年が正しい。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)は、定年の下限、65歳までの雇用確保の義務、65歳から70歳までの就業確保の努力義務を段階的に定めています。2つ選ぶ問なので、義務か努力義務か、何歳までか、の2点で各記述を見分けます。
事業主の責務として、同法は、労働者が高齢期に職業生活の充実を図れるよう、その高齢期の職業生活の設計について必要な援助を行うよう努めるものとしています。事業主による職業生活の設計の援助を努力義務とする記述は、この責務の規定に沿っているので正しい記述です。
また同法は、事業主が定年を定める場合、その年齢は60歳を下回ることができないとしています。ただし、高年齢者が従事することが困難と認められる業務として厚生労働省令で定める業務(坑内作業の業務)はこの限りでないとされています。坑内作業を除いて60歳を下回れないとする記述も正しい記述です。
これに対し、65歳未満の定年を定める事業主に義務づけられるのは、65歳までの雇用を確保するための措置(定年の引上げ・継続雇用制度の導入・定年の定めの廃止のいずれか)です。70歳までの措置は高年齢者就業確保措置で、こちらは努力義務にとどまります。60歳は下限、65歳までは義務、70歳までは努力義務と、3つの年齢を対にして覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 3定年を65歳未満と定めている事業主は,高…:定年が65歳に届かない会社に法が求めているのは、65歳に達するまで働き続けられるようにすることです。70歳までの継続雇用を義務とする規定はなく、年齢の段階を一つ取り違えています。
- 4定年を65歳以上70歳未満の範囲に定めて…:65歳以上70歳未満の定年を定める事業主が講じるよう努めるのは、70歳までの就業確保です。75歳までの定年引上げを義務とする規定はなく、年齢も義務か努力かの区別も誤っています。
- 5定年を65歳以上70歳未満と定めている事…:創業支援等措置は、70歳までの就業機会を確保する高年齢者就業確保措置として講じうる手段の一つで、講じるよう努める性格のものです。75歳まで社会貢献事業を実施しなければならないとする規定はありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題87。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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