第36回 問題90
社会福祉調査の基礎
社会調査における記録の方法とデータ収集法に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1質的調査で対象者を選定するときには,無作為抽出法を行うことが不可欠である。
- 2アクションリサーチでは,量的調査でデータを収集することがある。
- 3ドキュメント分析の対象となるデータには,手紙や日記などの私的文章も含まれる。
- 4質的調査のデータとしては,画像や映像の使用を避ける方が望ましい。
- 5フィールドノーツは,調査者の解釈を含めずに作成する必要がある。
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✓ これが正解2アクションリサーチでは,量的調査でデータを収集することがある。
✓ これが正解3ドキュメント分析の対象となるデータには,手紙や日記などの私的文章も含まれる。
解説
アクションリサーチは量的データも使い、私的な手紙や日記も分析対象です。
この問は、質的調査を中心とした記録の方法とデータ収集法の基本で判断します。2つ選ぶ問です。アクションリサーチは、研究者が現場の人々と協力して実践の課題を明らかにし、改善の行動とその評価を繰り返しながら進める調査の方法です。目的は実践の改善にあるので、聞き取りや観察などの質的なデータだけでなく、アンケートの集計などの量的なデータを集めることもあります。
ドキュメント分析は、すでに存在する文書や記録を資料として分析する方法です。対象には、行政文書や新聞記事、組織の記録などの公的な文書だけでなく、手紙や日記、自伝などの私的な文書も含まれます。私的な文書は、当事者の経験や感情を知る貴重な手がかりになります。したがって、アクションリサーチで量的調査のデータを集めることがある、ドキュメント分析の対象に手紙や日記などの私的文章も含まれる、の2つが適切です。
ほかの記述は、質的調査の対象者の選び方、データの種類、フィールドノーツの書き方について誤っています。見分け方は、質的調査では、目的に合った人や資料を幅広く、柔軟に集め、調査者の解釈も記録して分析に生かす、と押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1質的調査で対象者を選定するときには,無作為抽出法を行うことが不可欠である。:質的調査では、テーマについて豊かな語りを得られる人を意図的に選ぶ有意抽出がよく使われます。統計的な代表性を求める無作為抽出法は、質的調査に不可欠なものではありません。
- 4質的調査のデータとしては,画像や映像の使用を避ける方が望ましい。:写真や動画などの画像・映像も、人々の暮らしや場面の様子を伝える質的データとして活用されます。使用を避ける方が望ましいとする理由はありません。
- 5フィールドノーツは,調査者の解釈を含めずに作成する必要がある。:フィールドノーツには、観察した事実とあわせて、そのとき調査者が感じたことや解釈も書き留めます。事実と解釈を区別して書くことは大切ですが、解釈を含めないわけではありません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題90。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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