第36回 問題10
心理学と心理的支援
記憶に関する次の記述のうち,ワーキングメモリー(作動記憶)について,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1自転車の運転など,一連の動作に関する記憶である。
- 2休みの日に外出したなど,個人の経験に関する記憶である。
- 3カラスは鳥であるなど,一般的な知識に関する記憶である。
- 4感覚器が受け取った情報を,長期間そのまま保持する記憶である。
- 5暗算をするときなど,入力された情報とその処理に関する一時的な記憶である。
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✓ これが正解5暗算をするときなど,入力された情報とその処理に関する一時的な記憶である。
解説
ワーキングメモリーは、処理のために情報を一時的に保つ記憶です。
記憶にはいくつかの種類があり、保つ時間の長さと内容によって分けられます。感覚器が受け取った情報をごく短い間だけ保つ感覚記憶、数十秒ほど保つ短期記憶、長く保たれる長期記憶があり、長期記憶はさらに、体で覚える手続き記憶、個人の体験の記憶であるエピソード記憶、一般的な知識である意味記憶などに分けられます。
ワーキングメモリー(作動記憶)は、短期記憶を発展させた考え方で、情報を一時的に保ちながら、それを使って考えたり計算したりする働きを指します。暗算では、途中の数を覚えておきながら次の計算を進めます。このように、入力された情報とその処理に関わる一時的な記憶という記述が最も適切です。
ほかの記述は、別の種類の記憶を説明しています。自転車の運転のような動作の記憶は手続き記憶、休日の外出のような体験の記憶はエピソード記憶、カラスは鳥であるという知識は意味記憶です。感覚器が受け取った情報は、そのままでは長く保たれずにすぐ消えていきます。
見分け方は、作業台のように、いま使う情報を一時的に置いて処理する場所、というイメージでワーキングメモリーを押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1自転車の運転など,一連の動作に関する記憶である。:自転車に乗るなど、体で覚えた動作の手順の記憶は手続き記憶と呼ばれ、長期記憶の一つです。一時的に情報を保ちながら処理するワーキングメモリーとは違います。
- 2休みの日に外出したなど,個人の経験に関する記憶である。:休みの日に外出したといった、いつどこで何をしたかという個人の体験についての記憶は、エピソード記憶と呼ばれます。長期記憶に分類されるものです。
- 3カラスは鳥であるなど,一般的な知識に関する記憶である。:カラスは鳥であるといった、一般的な知識や言葉の意味についての記憶は、意味記憶と呼ばれます。個人の体験と結びつかない知識で、長期記憶に入ります。
- 4感覚器が受け取った情報を,長期間そのまま保持する記憶である。:感覚器が受け取った情報をそのままの形で保つのは感覚記憶ですが、保たれるのはごく短い時間だけです。長期間そのまま保持するという説明は合いません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題10。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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