第36回 問題5
医学概論
自閉スペクトラム症(ASD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1成人になってから発症する。
- 2こだわりは強くない。
- 3幻覚がみられる。
- 4常同的な行動は認められない。
- 5相手の気持ちを理解することが苦手である。
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✓ これが正解5相手の気持ちを理解することが苦手である。
解説
ASDでは、相手の気持ちを理解することが苦手な特性がみられます。
自閉スペクトラム症(ASD)は、発達期の早い時期から特性が現れる神経発達症の一つです。中心となる特性は2つあります。1つは、人との関わりや意思のやりとりの難しさで、相手の表情や言葉の裏の意味をくみ取ることや、場面に合わせた会話が苦手になりやすいことです。もう1つは、興味や行動が限られ、同じことを繰り返すことで、強いこだわりや決まった手順への固執、体を揺らすなどの常同的な行動として現れます。
この2つの特性に照らすと、相手の気持ちを理解することが苦手であるという記述は、対人関係の難しさにそのまま当てはまります。これが最も適切です。
一方、成人になってから始まるという説明は、発達期の早い時期から特性があるという点に反します。こだわりが強くない、常同的な行動がないという説明は、2つ目の特性を打ち消しています。幻覚はASDを特徴づける症状ではありません。
見分け方は、対人とコミュニケーションの難しさ、そしてこだわりと繰り返し行動という2本柱に合うかどうかで各記述を確かめることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1成人になってから発症する。:ASDは発達期の早い時期から特性が現れるもので、大人になってから新たに生じるものではありません。成人後に初めて気づかれることはあっても、特性自体は幼い頃からあります。
- 2こだわりは強くない。:強いこだわりは、興味や行動が限られ繰り返されるというASDの中心的な特性の一つです。予定の変更を嫌うなど、こだわりが強く現れることが多くみられます。
- 3幻覚がみられる。:幻覚は、実際にはない物が見えたり声が聞こえたりする症状で、ASDを特徴づけるものではありません。ASDの中心は対人関係の難しさとこだわりの強さです。
- 4常同的な行動は認められない。:体を揺らす、同じ動作を繰り返すといった常同的な行動は、ASDでみられる特性の一つです。こうした行動が認められないという説明は、特性の理解と逆になります。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題5。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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