第61回 午後 問78
臨床医学
末梢血管抵抗が上昇するショック
末梢血管抵抗が上昇するショックはどれか。
- 1失血性
- 2神経原性
- 3敗血症性
- 4副腎機能低下性
- 5アナフィラキシー
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✓ これが正解1失血性
解説
失血性ショックでは代償として末梢血管抵抗が上昇します。
ショックは、全身の組織に十分な血液が届かなくなった状態で、原因によって循環血液量減少性、血液分布異常性、心原性、閉塞性に分けられます。判断の軸は、各ショックで末梢血管が収縮しているのか、拡張しているのかです。
失血性ショックは、出血で循環する血液の量が減ることで起こる循環血液量減少性ショックです。血圧を保とうとして交感神経が強く働き、末梢の血管が収縮するため、末梢血管抵抗は上昇します。皮膚が冷たく青白くなり、冷や汗が出るのはこの反応によるものです。よって末梢血管抵抗が上昇するショックは失血性です。
神経原性ショック、敗血症性ショック、アナフィラキシーショックは、いずれも血管が広がって血液が末梢にたまる血液分布異常性ショックで、末梢血管抵抗は低下します。神経原性では脊髄損傷などで交感神経の働きが失われ、敗血症性では炎症による物質が、アナフィラキシーではヒスタミンなどが血管を広げます。副腎機能低下によるショックも、血管の収縮を保つホルモンが不足して血管がゆるむため、末梢血管抵抗は低下する方向です。出血は縮む、分布異常は広がる、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2神経原性:神経原性ショックでは、脊髄損傷などで交感神経による血管の収縮が失われ、血管が広がります。末梢血管抵抗は下がり、徐脈を伴うことも特徴です。
- 3敗血症性:敗血症性ショックでは、感染に対する強い炎症反応で放出される物質によって血管が広がります。初期には皮膚が温かく、末梢血管抵抗は低下します。
- 4副腎機能低下性:副腎の働きが低下すると、血管の収縮を保つのに必要な副腎皮質ホルモンが不足し、血管がゆるみやすくなります。末梢血管抵抗が上がるショックではありません。
- 5アナフィラキシー:アナフィラキシーでは肥満細胞から放出されたヒスタミンなどで全身の血管が広がり、血管から水分が漏れ出します。末梢血管抵抗は低下します。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問78(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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