第61回 午後 問38
臨床医学
脳腫瘍の発生部位と症状の組合せで正しいのはどれか。
- 1視床 ―――― 視力障害
- 2小脳 ―――― 協調運動障害
- 3視交叉 ―――― 失語
- 4前頭葉 ―――― 聴力障害
- 5脳幹部 ―――― 人格障害
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✓ これが正解2小脳 ―――― 協調運動障害
解説
小脳の腫瘍では協調運動障害が現れます。
脳腫瘍の症状は、頭蓋内圧の上昇による頭痛や嘔吐に加え、腫瘍ができた場所の働きが損なわれる局所症状として現れます。判断の軸は、脳の各部位がどの機能を担っているかです。
小脳は、運動のタイミングや力の加減を調整し、滑らかな動きを作る中枢です。小脳に腫瘍があると、手足の動きがぎこちなくなる、目標に手が届かず揺れる、歩行がふらつくなどの協調運動障害(運動失調)が現れます。よって小脳と協調運動障害の組合せが正しいものです。
視床は感覚の中継核なので、腫瘍では反対側の感覚障害などが目立ちます。視交叉は左右の視神経が交差する場所で、下垂体腫瘍などに圧迫されると両耳側半盲などの視野障害が出ます。失語は主に優位半球の前頭葉や側頭葉の言語野の障害で起こります。前頭葉の障害で目立つのは人格の変化や意欲の低下で、聴力障害は聴神経の腫瘍などで起こります。脳幹部の腫瘍では脳神経の麻痺や手足の麻痺が出やすくなります。部位と働きを対で覚えておくと、症状から病変部位を逆にたどることもできます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1視床 ―――― 視力障害:視床は全身の感覚の中継所なので、ここの腫瘍では反対側の感覚障害などが前に出ます。視力の障害は視神経や視交叉など視覚の通り道の病変で起こります。
- 3視交叉 ―――― 失語:視交叉が圧迫されると、左右の外側の視野が欠ける両耳側半盲などの視野の障害が起こります。言葉の障害である失語とは結び付きません。
- 4前頭葉 ―――― 聴力障害:前頭葉が障害されると人格の変化、意欲や判断力の低下、運動性失語などが目立ちます。聴こえの低下は聴神経やその周囲の腫瘍で起こる症状です。
- 5脳幹部 ―――― 人格障害:脳幹には脳神経の核や上下行する伝導路が集まっているため、腫瘍では脳神経麻痺や四肢の麻痺、意識障害などが出ます。人格の変化は前頭葉の症状です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問38(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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