第61回 午前 問83
リハビリテーション医学
多発性硬化症に関する問題
多発性硬化症のリハビリテーション治療で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1痙縮に対して温熱療法を行う。
- 2筋力低下に対して1 RMを反復し強化する。
- 3運動失調に対して重錘を負荷して練習を行う。
- 4視野欠損に対して照明などの環境整備を行う。
- 5歩行障害に対して早期から下肢装具を作製する。
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✓ これが正解3運動失調に対して重錘を負荷して練習を行う。
✓ これが正解4視野欠損に対して照明などの環境整備を行う。
解説
運動失調には重錘負荷、視野欠損には環境整備を行います。
多発性硬化症は、中枢神経の髄鞘が壊れる脱髄が、時期と場所を変えて繰り返す病気で、運動麻痺、感覚障害、運動失調、視力や視野の障害など、さまざまな症状が現れます。リハビリテーション治療では、症状が良くなったり悪くなったりすることや、体温が上がると症状が悪くなることに注意しながら、症状に合わせた方法を選びます。
運動失調に対しては、手足に重錘をつけて練習する方法があります。重さが加わることで、関節や筋からの感覚の情報が増え、動きのぶれを抑えやすくなります。視野欠損に対しては、見えにくさを補うために、照明を明るくしたり、物の配置を工夫したりする環境整備が役立ちます。ほかの肢は、症状を悪化させるおそれのある方法や、病気の経過の特徴に合わない対応です。
したがって正解は、運動失調への重錘負荷と、視野欠損への環境整備の2つです。多発性硬化症では、熱と疲れすぎを避け、症状に合わせて補う工夫をする、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1痙縮に対して温熱療法を行う。:多発性硬化症では、体温が上がると一時的に症状が悪くなるUhthoff徴候がみられます。温熱療法は体温を上げて症状を悪化させるおそれがあり、痙縮への対応には適しません。
- 2筋力低下に対して1 RMを反復し強化する。:1 RMは1回だけ持ち上げられる最大の重さで、それを繰り返すと強い疲労を招きます。多発性硬化症では疲れやすく、過度な負荷で症状が悪くなるおそれがあるため避けます。
- 5歩行障害に対して早期から下肢装具を作製する。:多発性硬化症の症状は、再発と回復を繰り返して変わりやすいのが特徴です。歩行障害に対して早い時期から装具を作っても、症状の変化に合わなくなるおそれがあります。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問83(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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