第60回 午後 問17
理学療法評価学
介護予防事業におけるスクリーニングテストを図に示す。このテストで確認可能なのはどれか。
テストの図:
- 図の上に「できるだけ大股で歩きます」とある。
- 両足をそろえた立位から大股で2歩歩き、両足をそろえて止まる。
- 開始位置のつま先から終了位置のつま先までの距離を矢印で示している。
- 1サルコペニア
- 2ダイナペニア
- 3ポストポリオ症候群
- 4メタボリックシンドローム
- 5ロコモティブシンドローム
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✓ これが正解5ロコモティブシンドローム
解説
大股で2歩歩く2ステップテストは、ロコモ度を確かめるテストです。
図のテストは、両足をそろえて立った位置からできるだけ大股で2歩歩き、両足をそろえて止まり、開始時のつま先から終了時のつま先までの距離を測るものです。これは2ステップテストと呼ばれ、日本整形外科学会が提唱するロコモ度テストの一つです。2歩の距離を身長で割った値で、下肢の筋力やバランス、柔軟性を含めた歩く力を評価します。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)は、骨・関節・筋肉などの運動器の障害で、立つ・歩くといった移動の機能が低下した状態を指します。介護が必要になる大きな原因の一つで、介護予防の場面で早く見つけるために、こうした簡単なテストが用いられます。
他の選択肢は、このテストだけでは確認できません。サルコペニアは筋肉量と筋力・身体機能の低下で判断し、ダイナペニアは筋肉量によらない筋力の低下です。ポストポリオ症候群はポリオの既往が前提で、メタボリックシンドロームは腹囲や血圧・血糖・脂質で判定します。
したがって、このテストで確認できるのはロコモティブシンドロームです。立ち上がりテスト・2ステップテスト・ロコモ25の3つで移動機能をみる、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1サルコペニア:サルコペニアは加齢などで筋肉量が減り、筋力や身体機能が落ちた状態で、筋肉量の測定や握力、歩行速度などで判断します。大股2歩の距離だけでは筋肉量が分からないため、このテストでは確認できません。
- 2ダイナペニア:ダイナペニアは筋肉量の減少を伴わずに筋力が低下した状態を指し、握力などの筋力測定で評価します。2歩の距離は筋力以外にバランスや柔軟性も反映するため、ダイナペニアの判定には使えません。
- 3ポストポリオ症候群:ポストポリオ症候群は、ポリオにかかった人が長い年月の後に新たな筋力低下や疲労を生じる病態です。ポリオの既往と経過で判断するもので、介護予防のスクリーニングで確かめる対象ではありません。
- 4メタボリックシンドローム:メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積に加えて血圧・血糖・脂質の異常がそろった状態で、腹囲や血液検査で判定します。歩幅を測るテストで確認するものではありません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問17(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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