第59回 午前 問28
臨床医学
認知症の周辺症状
認知症の周辺症状はどれか。
- 1今日の日付が分からない。
- 2携帯電話を使えなくなる。
- 3夜になると家の中を歩き回る。
- 4朝食で食べたものを思い出せない。
- 5目の前にある物品の名称を言えない。
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✓ これが正解3夜になると家の中を歩き回る。
解説
夜に家の中を歩き回る徘徊は、認知症の周辺症状にあたります。
認知症の症状は、中核症状と周辺症状に分けて考えます。中核症状は、脳の神経細胞が障害されることで直接起こる症状で、記憶障害、見当識障害(日時や場所が分からなくなること)、失語、失行、失認、遂行機能障害などがあります。周辺症状は、BPSD(認知症の行動・心理症状)とも呼ばれ、中核症状に本人の性格や体調、環境などが重なって起こる、徘徊、興奮、妄想、抑うつ、睡眠の乱れなどの症状です。
夜になると家の中を歩き回るのは徘徊にあたり、昼夜のリズムの乱れや不安、環境などが影響して起こる行動の症状です。中核症状に周りの要因が加わって現れるので、周辺症状として正しいものです。周辺症状は環境の調整や関わり方の工夫で和らぐことがある点も、中核症状との違いです。
ほかの記述は、日付が分からない、道具が使えない、食べたものを思い出せない、物の名前が言えないという、脳の障害から直接起こる中核症状です。覚え方は、できなくなることは中核症状、行動や気持ちに表れることは周辺症状、と分けることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1今日の日付が分からない。:今日の日付が分からないのは、時間についての見当識障害です。脳の障害によって直接起こる中核症状にあたり、環境などの影響で起こる周辺症状ではありません。
- 2携帯電話を使えなくなる。:携帯電話を使えなくなるのは、道具の使い方が分からなくなる失行や、手順を組み立てられなくなる遂行機能障害によるもので、中核症状に分類されます。
- 4朝食で食べたものを思い出せない。:朝食で食べたものを思い出せないのは、最近の出来事を覚えておけない記憶障害で、認知症の中核症状の代表です。周辺症状にはあたりません。
- 5目の前にある物品の名称を言えない。:目の前の物品の名前を言えないのは、言葉が出てこない失語や、物を認識できない失認によるもので、中核症状にあたります。行動や心理の症状とは区別されます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問28(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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