第36回 問題9
社会の理解
地域福祉において,19世紀後半に始まった,貧困地域に住み込んで実態調査を行いながら住民への教育や生活上の援助を行ったものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1世界保健機関(WHO)
- 2福祉事務所
- 3地域包括支援センター
- 4生活協同組合
- 5セツルメント
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✓ これが正解5セツルメント
解説
貧困地域に住み込み調査と援助を行った活動は、セツルメントです。
セツルメントは、19世紀後半のイギリスで始まった社会改良の運動です。大学関係者や宗教家などの知識人が貧困地域に住み込み、住民の暮らしの実態を調べながら、教育や生活上の援助を行いました。ロンドンのトインビー・ホールがその代表例として知られ、のちにアメリカや日本にも広がりました。
設問の手がかりは、19世紀後半に始まったこと、貧困地域に住み込んだこと、実態調査と住民への教育や援助を合わせて行ったことの3つです。この3つをすべて満たすのはセツルメントで、地域の課題を住民とともに解決しようとする地域福祉の源流の一つと位置づけられています。
世界保健機関、福祉事務所、地域包括支援センター、生活協同組合は、いずれも始まった時期や担い手、目的が設問の説明と合いません。住み込んで調べ、教え、助けるという活動の形と、19世紀後半という時期をセットで覚えておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1世界保健機関(WHO):世界保健機関(WHO)は、20世紀に入ってから国際連合の専門機関として設けられた、健康の分野の国際機関です。貧困地域に住み込んで援助を行った民間の運動ではありません。
- 2福祉事務所:福祉事務所は、日本の社会福祉法に基づいて都道府県や市などが設置する行政機関です。生活保護などの事務を担う役所の組織であり、19世紀後半の住み込みの運動とは異なります。
- 3地域包括支援センター:地域包括支援センターは、日本の介護保険法に基づいて市町村が設置する、高齢者の総合相談などを行う機関です。設けられたのは近年で、19世紀後半の運動とは時代も目的も合いません。
- 4生活協同組合:生活協同組合は、消費者が出資し合い、生活に必要な物資を共同で購入するなどの事業を行う組織です。組合員どうしの協同の仕組みであり、貧困地域に住み込んで調査や教育をする運動ではありません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題9。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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