第111回 午後 問1
公衆衛生看護学概論
社会的公正に関する問題
社会的公正の理念に基づく保健師活動の説明はどれか。
- 1住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう支援する。
- 2重症化リスクの高い人の支援を優先させる。
- 3セルフヘルプグループの育成を支援する。
- 4住民への説明責任を果たす。
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✓ これが正解2重症化リスクの高い人の支援を優先させる。
解説
健康格差を縮めるため、重症化リスクの高い人を優先して支援する肢が正解です。
社会的公正は、健康や生活の条件の差(健康格差)を、本人の努力だけでは変えにくい不公平ととらえ、必要の大きい人により多くの資源を振り向けるという考え方です。公衆衛生看護では、地域の全員に同じ支援を同じ量だけ届けるのではなく、健康を損なう危険が大きい人や支援につながりにくい人を見つけ、優先して支えることがこの理念の実践になります。
重症化リスクの高い人の支援を優先させる肢は、限られた保健活動の資源を、必要の大きい人へ傾けて配分するものであり、社会的公正の考え方にそのまま当てはまります。ほかの肢も保健師活動として大切ですが、よりどころとなる理念が異なります。地域での自分らしい暮らしは生活の質や地域包括ケア、当事者グループの育成はエンパワメント、説明責任は行政運営の原則に結びつく内容です。
見分けるときは、だれに・どれだけ配分するかという公平さを問う内容かどうかに注目すると、社会的公正を選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう支援する。:住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう支えることは、本人の望む生活や生活の質を大切にする考え方で、地域包括ケアの理念に近い内容です。必要の大きい人へ資源を傾けるという配分の公平さを示すものではありません。
- 3セルフヘルプグループの育成を支援する。:セルフヘルプグループは同じ悩みをもつ当事者どうしが支え合う集まりで、その育成は住民の力を引き出すエンパワメントの実践です。不公平な格差の是正を軸とする社会的公正とは、根拠となる理念が異なります。
- 4住民への説明責任を果たす。:住民への説明責任(アカウンタビリティ)は、税で運営される行政が、活動の目的や成果を住民に示す責務です。行政の運営の原則であり、健康格差を縮めるために支援を配分する考え方を示すものではありません。
出典:第111回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問1(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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