第111回 午前 問18
保健医療福祉行政論
国際保健規則に関する問題
世界保健機関〈WHO〉憲章第21条に基づく国際保健規則〈IHR〉の目的で正しいのはどれか。
- 1疾病の国際的伝播を最大限に防止する。
- 2国民の生命、身体及び財産を災害から保護する。
- 3低中所得国に対して人的・物的・技術的資源を提供する。
- 4国民の健康を守る役割を担う各国の保健大臣の連携を強化する。
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✓ これが正解1疾病の国際的伝播を最大限に防止する。
解説
国際保健規則の目的は、疾病の国際的伝播を最大限防止することです。
国際保健規則は、世界保健機関(WHO)憲章第21条に基づく国際的な規則です。厚生労働省は、その目的を、国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止することと説明しています。
この規則のもとで、各国は国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態となりうる事象をWHOに通報し、空港や港での対応能力を整えることなどが求められています。感染症などの国境を越えた広がりを防ぐための国際的なルールであり、疾病の国際的伝播を最大限に防止するという記述が目的に合います。
災害からの保護、途上国への資源の提供、保健大臣どうしの連携は、それぞれ別の法律や国際協力の枠組みが扱う内容です。国際保健規則は、病気が国境を越えて広がるのを防ぐための規則と一言で押さえておきましょう。出題当時の規則は2005年に改正されたものでした。現在は、2024年に採択された改正(2025年9月19日発効)によりパンデミック緊急事態の定義などが加わっていますが、疾病の国際的なまん延を防ぐという目的は変わっていません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2国民の生命、身体及び財産を災害から保護する。:国民の生命、身体及び財産を災害から保護するという内容は、日本の災害対策基本法の目的に見られる考え方です。国境を越える病気の広がりを扱う国際保健規則とは、対象も目的も異なります。
- 3低中所得国に対して人的・物的・技術的資源を提供する。:低中所得国に人的・物的・技術的な資源を提供するのは、政府開発援助などの国際協力の取り組みにあたります。国際保健規則は各国に通報や対応能力の整備を求める規則で、資源の提供を目的としてはいません。
- 4国民の健康を守る役割を担う各国の保健大臣の連携を強化する。:各国の保健大臣の連携の強化は、主要国の保健大臣会合などの場で扱われる内容です。国際保健規則は加盟国が守る共通の規則であり、大臣どうしの連携を目的として定められたものではありません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問18(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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