平成28年度 春期 午前 問50
ソフトウェア開発管理技術
構成管理に起因しない問題
ソフトウェア開発において,構成管理に起因しない問題はどれか。
原典では「起因しない」が太字で組まれています(否定の強調)。本ファイルでも太字で保持しました。
- ア開発者が定められた改版手続に従わずにプログラムを修正したので,今まで正しく動作していたプログラムが,不正な動作をするようになった。
- イシステムテストにおいて,単体テストレベルのバグが多発して,開発が予定どおりに進捗しない。
- ウ仕様書,設計書及びプログラムの版数が対応付けられていないので,プログラム修正時にソースプログラムを解析しないと,修正すべきプログラムが特定できない。
- エ一つのプログラムから多数の派生プログラムが作られているが,派生元のプログラムの修正が全ての派生プログラムに反映されない。
答えと解説を見る
✓ これが正解イシステムテストにおいて,単体テストレベルのバグが多発して,開発が予定どおりに進捗しない。
解説
単体レベルのバグ多発は構成管理ではなく試験の問題です。
構成管理は、成果物の版と、部品同士の対応関係を、決めた手続に従って追い掛けて整えるための営みです。ここで問われるのは、示された不具合の生まれ方が、この営みが行き届かなかったせいで起きたと見立てられるかどうかの一点です。判定の軸は、事象の中に「版と手続の管理」が絡んでいるか、それとも別の営みの落ち度に由来しているかの見分け方にあります。改版の手順を通さずに修正が入る、版数の対応が付いていない、派生の間で反映が伝わらない、というのはいずれも版と対応関係の管理が回っていない状態の現れで、構成管理の場面に位置づけられます。これに対して、システムを組み上げた段になって単体の粒度の不具合が数多く見つかり進み方が遅れる、というのは、単体試験の作り込みそのものが浅いことを示す事象で、版の管理とは筋の違う話です。だから、そうした試験の場面に由来する事象を述べた記述が、当てはまらないもの、として当たりました。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア開発者が定められた改版手続に従わずにプロ…:開発者が定められた改版手続に従わずにプログラムを修正したので、今まで正しく動作していたプログラムが、不正な動作をするようになったと述べています。決めた手続に沿って版を進める規律が破られた事例で、まさに構成管理の場面に当たります。
- ウ仕様書,設計書及びプログラムの版数が対応…:仕様書、設計書及びプログラムの版数が対応付けられていないので、プログラム修正時にソースプログラムを解析しないと、修正すべきプログラムが特定できないと述べています。成果物の版どうしの対応が保たれていない状態で、構成管理の綻びに起因します。
- エ一つのプログラムから多数の派生プログラム…:一つのプログラムから多数の派生プログラムが作られているが、派生元のプログラムの修正が全ての派生プログラムに反映されないと述べています。派生の枝を管理して修正を波及させる仕組みが欠けている状態で、構成管理の綻びに位置づけられます。
この問題の用語
- システムテスト作り上げたシステム全体が、求めたとおり動くかを確かめる試験です。機能のほか、性能や操作性、異常時の動きなども確かめます。
出典:平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問50
同じ用語が出る問題
- 令和元年度 秋期 午前 問58(システムテスト)
- 平成28年度 秋期 午前 問54:ピーク時の要員(システムテスト)
- 平成26年度 秋期 午前 問49:ソフトウェア保守に関する問題(システムテスト)
- 平成26年度 春期 午前 問59:システム設計に関する問題(システムテスト)
- 平成23年度 特別 午前 問50:構成管理に起因しない問題(システムテスト)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)