令和7年度上期第三種電気主任技術者試験 機械(電気技術者試験センター)問4
機械
三相かご形誘導電動機に関する問題
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一般的な三相かご形誘導電動機がある。出力が大きい定格運転条件では,誘導機の等価回路の電流は,「二次電流≫励磁電流」であるから,励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに,「二次抵抗による電圧降下≫その他の電圧降下」となるので,一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても,おおよその特性を検討できる。このような電動機でトルク一定負荷の場合に,電流80 A の定格運転から電源電圧と周波数を共に5 %下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 172
- 276
- 380
- 484
- 588
答えと解説
✓ これが正解380
解説
電圧と周波数を同じ割合で下げると磁束が一定で、電流は80 Aのままです。
問題文の近似では、等価回路は二次抵抗の項 r₂′/s(r₂′ は一次側に換算した二次抵抗、s は滑り)だけが残り、電流は I=V/(r₂′/s)=sV/r₂′ となります。二次入力は P₂=3I²r₂′/s=3sV²/r₂′ で、トルクは同期角速度 ωs で割って T=P₂/ωs=3sV²/(r₂′ωs) です。ωs は周波数 f に比例します。
電圧と周波数を共に5 % 下げると、V は0.95倍、ωs も0.95倍です。トルク一定なので、変化後の滑りを s′ とすると 3s′(0.95V)²/(r₂′×0.95ωs)=3sV²/(r₂′ωs) から 0.95s′=s、s′=s/0.95 です。電流は I′=s′×0.95V/r₂′=(s/0.95)×0.95V/r₂′=sV/r₂′=I で、定格の80 A と変わりません。
別の見方で検算します。誘導電動機の磁束は電圧と周波数の比 V/f に比例し、トルクは磁束と二次電流の積に比例します。V/f が一定なら磁束も一定なので、同じトルクを出す電流は同じ80 A です。回転速度は、同期速度が5 % 下がる分だけ少し下がります。
V/f 一定で運転すると、トルク一定の負荷なら電流も変わらない、と覚えておくと速く判断できます。
ほかの選択肢の解説
- 172:72 A は80 A に0.95を2回掛けた値(80×0.95²≒72.2 A)です。電流が電圧の2乗に比例して減ると考えた形ですが、この近似の等価回路から電流が電圧の2乗に比例する関係は出てこず、この値は導けません。
- 276:76 A は、滑りが変わらないまま電圧だけ0.95倍になったとして I=sV/r₂′ を0.95倍した値です。トルク一定の条件では周波数の低下に合わせて滑りが大きくなり、電圧の低下を打ち消すので、電流は減りません。
- 484:84 A は80 A を0.95で割った値(約84.2 A)で、電圧が下がった分だけ電流が増えると考えた場合にあたります。周波数も同じ割合で下がって磁束は保たれるので、同じトルクに必要な電流は増えません。
- 588:88 A は80 A を0.95の2乗で割った値(約88.6 A)です。電流が電圧の2乗に反比例して増えるという関係を当てはめた形ですが、この問の等価回路の近似からそのような関係は導けません。
出典:令和7年度上期第三種電気主任技術者試験 機械 問4(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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