令和6年度下期第三種電気主任技術者試験 理論(電気技術者試験センター)問15(b)
理論
力率に関する問題
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図1のように,相電圧200 V,周波数50 Hzの対称三相交流電源に,抵抗とインダクタンスからなる三相平衡負荷を接続した交流回路がある。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(b) 図2のように,静電容量C [F]のコンデンサをΔ結線して,その端子a′,b′及びc′をそれぞれ図1の端子a,b及びcに接続した。その結果,三相交流電源から見た負荷の力率は1になったという。静電容量Cの値[F]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 11.9×10⁻⁶
- 21.7×10⁻⁴
- 32.1×10⁻⁴
- 47.4×10⁻⁴
- 55.9×10⁻²
答えと解説
✓ これが正解21.7×10⁻⁴
解説
負荷の遅れ無効電力約6.4 kvarを打ち消すCは約1.7×10⁻⁴ Fです。
力率を1にするには、負荷の遅れ無効電力と同じ大きさの進み無効電力をコンデンサで供給し、打ち消します。(a)で求めたとおり、負荷電流は約23.1 A、1相の誘導性リアクタンスは約4.0 Ωです。
負荷の無効電力は3相分でQ=3I²X=3×23.1²×4.0≒6.4×10³ varです。Δ結線のコンデンサの各相には線間電圧200 Vがそのまま加わり、1相の無効電力はωCV²です。3相分でQc=3×2π×50×C×200²≒3.77×10⁷×C [var]となります。Qc=Qとおくと、C=6.4×10³/(3.77×10⁷)≒1.7×10⁻⁴ Fです。
別の方法としてアドミタンスで検算します。Δ結線のコンデンサは、等価なY結線では1相の静電容量が3Cになります。負荷1相の3+j4 Ωのサセプタンスの大きさは4/(3²+4²)=0.16 Sなので、ω×3C=0.16から3C=0.16/314≒5.1×10⁻⁴ F、C≒1.7×10⁻⁴ Fで一致します。
したがって1.7×10⁻⁴ Fが正解です。Δ結線のコンデンサには線間電圧が加わるので、Y結線より小さな静電容量で同じ無効電力を出せる点も合わせて押さえておきましょう。
ほかの選択肢の解説
- 11.9×10⁻⁶:1.9×10⁻⁶ Fは正しい値のおよそ100分の1です。この静電容量をΔ結線にしても進み無効電力は約70 varにとどまり、約6.4 kvarの遅れ無効電力を打ち消せません。
- 32.1×10⁻⁴:2.1×10⁻⁴ Fは、無効電力ではなく皮相電力3×115.5×23.1≒8.0×10³ V·Aをコンデンサで打ち消すとして計算した値です。打ち消すのは無効電力だけで、抵抗で消費される有効電力の分は含めません。
- 47.4×10⁻⁴:7.4×10⁻⁴ Fは正しい値の4倍あまりです。これだけの静電容量をΔ結線にすると進み無効電力は約2.8×10⁴ varとなり、負荷の遅れ無効電力を大きく上回って力率は1になりません。
- 55.9×10⁻²:5.9×10⁻² Fは静電容量としては桁違いに大きい値です。Δ結線の各相に200 Vを加えると進み無効電力は2.2×10⁶ var程度になり、6.4 kvarを打ち消す量としては過大です。
出典:令和6年度下期第三種電気主任技術者試験 理論 問15(b)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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