知的財産・労働/取引法規・技術者倫理・標準化|平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問35
時間外労働に関する記述のうち,労働基準法に照らして適切なものはどれか。
- 裁量労働制を導入している場合,法定労働時間外の労働は従業員の自己管理としてよい。
- 事業場外労働が適用されている営業担当者には時間外手当の支払はない。
- 年俸制が適用される従業員には時間外手当の支払はない。
- ✓ これが正解法定労働時間外の労働を労使協定(36協定)なしで行わせるのは違法である。
解説
労使協定なしに法定労働時間外の労働をさせるのは違法です。
労働基準法は労働時間の枠を定めたうえで、その枠を超えて働かせたり休日に働かせたりするには、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合、それが無い場合は労働者の過半数を代表する者との書面による協定を結び、決められたところにより行政官庁へ届け出ることを求めています。この協定が通称36協定です。裏を返せば、この手続を踏まないまま法定労働時間を超える労働をさせることは、法律の枠から外れることになります。ですから、労使協定なしに法定労働時間外の労働を行わせるのは違法である、という記述が適切です。残りの三つは、働き方や賃金の決め方の制度を理由に、時間の管理や割増賃金の支払をしなくてよいとする内容ですが、そうした制度があっても法律の定めから外れるわけではありません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 裁量労働制を理由に、法定労働時間を超える労働を従業員の自己管理に委ねてよいとする内容です。この制度は協定で定めた時間を働いたものとみなす仕組みであって、管理を本人任せにしてよいとする定めではありません。
- 事業場外の労働が適用される営業担当者には時間外の手当が生じないとする内容です。時間を算定しがたいときに所定の時間を働いたとみなす扱いはありますが、通常必要な時間が所定を超える場合はその時間でみなされます。
- 年俸制が適用される従業員には時間外の手当が生じないとする内容です。年俸制は賃金を年単位で決める取り決めにすぎず、法定の枠を超えて働かせた場合に割増賃金を支払うという定めが、賃金の決め方によって外れることはありません。
この問題に関係する言葉
- 労働基準法働く人を守るために、労働条件の最低の基準を定めた法律です。法定労働時間を超えて働かせるには、労使の協定が必要になります。
- 36協定法定労働時間を超えて働かせるために結ぶ、労使の協定のことです。労働基準法第36条に基づき、これなしの時間外労働は違法になります。
- 時間外労働法律で定められた労働時間を超えて働くことをいいます。年俸制や事業場外労働であっても、手当の支払いが不要になるわけではありません。
出典:平成29年度 春期 情報セキュリティマネジメント試験 午前 問35
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