第28回 問題24
精神保健福祉の原理
次の記述のうち,精神保健福祉士の援助における循環的関係を表すものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1認知能力が低下しているクライエントに代わって,金銭管理を行った。
- 2退院後の生活について,クライエントの希望を尊重し折り合いをつけながら支援計画を立てた。
- 3提供できる医療や福祉サービスの内容を説明し,クライエントからサービス利用の同意を得た。
- 4職場環境を改善するために,クライエントと共に精神障害に関する従業員の理解を促した。
- 5クライエントの体験の語りに続く双方向のやり取りによって,共に相手の見方を通して,自分の見方を見直した。
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✓ これが正解5クライエントの体験の語りに続く双方向のやり取りによって,共に相手の見方を通して,自分の見方を見直した。
解説
語りと双方向のやり取りで互いの見方を見直す関係が循環的関係です。
精神保健福祉士とクライエントの援助関係のうち、循環的関係とは何かを問う問題です。循環的関係とは、援助する側が一方的に働きかけるのではなく、クライエントと精神保健福祉士が互いに影響を与え合い、やり取りを重ねる中で両者がともに変わっていく関係を指します。援助者もクライエントから学び、自分の見方を問い直すことになる点が特徴です。
設問の正解の記述では、クライエントが自分の体験を語り、それに続く双方向のやり取りを通して、クライエントと精神保健福祉士の双方が相手の見方を手がかりに自分の見方を見直しています。互いの関わりがぐるぐると巡りながら両者が変化していく様子は、循環的関係の説明と合っています。
ほかの肢は、援助者が本人に代わって行う関わり、本人の希望を取り入れた計画づくり、説明と同意、環境への共同の働きかけを表しています。いずれも援助の大切な場面ですが、互いの見方がやり取りの中で変わっていくという循環の要素は含まれていません。
したがって正しいのは、体験の語りに続く双方向のやり取りで、共に相手の見方を通して自分の見方を見直したという記述です。循環的関係は、双方が影響し合い、双方が変わる関係、と押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1認知能力が低下しているクライエントに代わって,金銭管理を行った。:認知能力が低下した人に代わって金銭管理を行うのは、援助者が本人に代わって行う代行的な支援です。やり取りの中で両者の見方が変わるという、相互の影響の要素はありません。
- 2退院後の生活について,クライエントの希望を尊重し折り合いをつけながら支援計画を立てた。:退院後の希望を尊重して折り合いをつけながら計画を立てるのは、本人の意向を取り入れた計画づくりの場面です。大切な関わりですが、両者の見方が互いに見直される関係を表したものではありません。
- 3提供できる医療や福祉サービスの内容を説明し,クライエントからサービス利用の同意を得た。:サービスの内容を説明して利用の同意を得るのは、説明と同意の手続を表しています。情報が援助者から本人へ伝わる一方向の流れが中心で、互いに見方を変え合う関係とは異なります。
- 4職場環境を改善するために,クライエントと共に精神障害に関する従業員の理解を促した。:クライエントと共に従業員の理解を促すのは、本人と協力して職場環境に働きかける場面です。外への働きかけを表すもので、援助者と本人の間で見方が巡り変わる関係の説明ではありません。
出典:第28回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題24。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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