第26回 問題61
精神保健福祉制度論
次の記述のうち,「精神保健福祉法」に規定される精神科病院の管理者の役割として,正しいものを2つ選びなさい。
- 1入院者からの退院請求に対し,その者の入院継続の要否を審査する。
- 2措置入院者に自傷他害の恐れが消失した場合,直ちに,その者を退院させる。
- 3医療保護入院を行う場合,その旨を本人に書面で知らせる。
- 4入院者に対して,行政機関の職員との面会を制限する。
- 5都道府県知事に対して,医療保護入院者の入院届を出す。(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
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✓ これが正解3医療保護入院を行う場合,その旨を本人に書面で知らせる。
✓ これが正解5都道府県知事に対して,医療保護入院者の入院届を出す。(注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
解説
医療保護入院の書面での告知と、知事への入院届が管理者の役割です。
この問は2つ選ぶ問で、精神保健福祉法で精神科病院の管理者(病院長など)に課された役割を問うています。判断の軸は、管理者が行うこと、都道府県知事が行うこと、精神医療審査会が行うこと、の区別です。
医療保護入院を行うとき、管理者は本人と、同意をした家族等に対し、入院措置を採る旨とその理由、退院等の請求ができることなどを書面で知らせなければなりません(出題当時の第33条の3第1項)。本人に書面で知らせるという記述は適切です。
また管理者は、医療保護入院の措置を採ったときは、10日以内に、同意をした者の同意書を添えて、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出なければなりません(出題当時の第33条第7項)。知事に入院届を出すという記述も適切です。
他の記述は、役割の主体が違います。退院請求の審査は精神医療審査会が行います。措置入院者の自傷他害のおそれがなくなったとき、管理者は直ちに知事へ届け出ますが、退院させるのは知事です。行政機関の職員との面会の制限は、管理者も行うことができない行動の制限です。
覚え方として、告知と届出は管理者、退院させる判断は知事、審査は審査会、と主体で整理するとよいでしょう。
出題当時の精神保健福祉法では、医療保護入院に入院期間の定めはありませんでした。現在は2024年4月1日施行の改正(令和4年法律第104号)により、6か月以内の期間を定めて入院させ、更新する仕組みとなり、入院届は第33条第9項(10日以内)に移り、書面での告知も期間の更新時に行うことになっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1入院者からの退院請求に対し,その者の入院…:入院者からの退院請求について、入院の必要があるかどうかを審査するのは、都道府県に置かれる精神医療審査会です。病院の管理者が自ら審査する仕組みではありません。
- 2措置入院者に自傷他害の恐れが消失した場合…:措置入院者の自傷他害のおそれが消えたと認められたとき、管理者に求められるのは直ちに都道府県知事へ届け出ることです。退院させるのは措置を行った知事の権限です。
- 4入院者に対して,行政機関の職員との面会を…:都道府県その他の行政機関の職員との面会の制限は、信書の発受の制限と並んで、管理者が行うことのできない行動の制限として法律に定められています。
出典:第26回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題61。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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